りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

上梓。

2024-04-28 | 読書
先月末。
会員としてワタシも仲間に入れていただいている福山市の市民グループ〈御領の古代ロマンを蘇らせる会〉から、一冊の本が上梓された。

タイトルは、〈穴国の前方後円墳  ー28基の前方後円墳が語り始めた吉備穴国の姿とヤマトとの関係ー〉

当会は、広島県東南部に位置する福山市神辺町を中心に古墳や遺跡の調査・整備を目的として活動している市民グループ。
古代史好きで神辺町周辺の古墳や遺跡に以前から興味を持っていたワタシは、数年前にほとんど無理やりというかなし崩し的に仲間に入れてもらった。
今思えば、それはまるで〈西遊記〉で猪八戒が三蔵法師の一行に仲間入りした時のような入り方だった(笑)

そのきっかけについては、このブログにも書いたことがある↓
土器片らしきモノ。 - りきる徒然草。

土器片らしきモノ。 - りきる徒然草。

今月の上旬、新聞にこんな記事が掲載されていた。幼い頃から歴史が好きで、社会に出る時、広告関係に進むか、歴史関係に進むか、それなりに迷った人間なので、こういった出...

goo blog

 


以降、神辺町周辺の山々を中心に、既知の古墳の整備や未発見の古墳の探索を一緒にさせていただいてきたのだが、ここ数年、それまで未知だった前方後円墳やそれらしき前方後円形の地形が立て続けに発見されはじめた(もっとも、ワタシは会員の方が発見された後に現場に一緒に行くことがほとんどだったが😅)
その中には、なんと古墳時代前期のヤマト王権成立の頃にまで遡るような歴史学的にも貴重な前方後円墳の発見もあり、これまで認知されているとは言い難かった神辺町周辺の古墳の状況を広く世間様に知って欲しいという思いから、この度、一冊の本にまとめて刊行した次第。

タイトルにある〈穴国〉とは、(あなのくに)と読み、正式には〈吉備穴国〉(きびのあなのくに)という。

これは古墳時代に、現在の神辺町に広がる神辺平野に存在したとされているクニの名前であり、大雑把に書けば、新たに発見され本書に掲載されているいくつかの前方後円墳は、この吉備穴国の歴代首長のお墓なのではないか?と当会では推測しており、本書ではこれらの前方後円墳の解説を通して、かつて存在した〈吉備穴国〉の姿だけでなく、はるか遠く大和にあった当時はまだ黎明期だったヤマト王権との繋がりまでも推測してみようと試みている。

そしてそして。

この度、この本書の表紙・裏表紙のデザインを、グラフィックデザインを生業にしている手前、僭越ながらワタシが担当させていただき、その上、本文中のコラムも二篇ほど執筆させていただいた。

こちらが、表紙デザイン↓



背景の黒と青のマダラ模様のテクスチャ画像は、夜明け前の空をイメージしたもの。
これは〈御領遺跡・御領古墳群〉を要する吉備穴国の全貌が本格的に陽の目を浴びようとしていることを表現したのと同時に、〈御領の古代ロマンを蘇らせる会〉が、単なる歴史愛好家の集まりの枠に収まらない、一線を画す活動を始めつつある、ということの2つの意味を持たせた。

制作に入った直後は、最終的にどんなデザインがなるのか自分でも予想できなかったのだけれど、どんなデザインになるにせよ、上述した意図は絶対に内包させた表紙にしようと決めていた。

全体的に迫力&重厚な表紙になってしまったが、書店の歴史コーナーの棚に置いてある、いわゆるムック本と遜色ない表紙デザインになったのではないかと思っている。
まぁ、日本の歴史学界に一石投じるどころか、ある意味ケンカを売る心持ちで作った本なのだから、〈ハッタリをかましてますが、何か?〉というところだろうか(笑)

そして、執筆したコラム二篇。

結論から言えば、難しかった・・・😓
執筆したのは昨年の今頃から8月ごろ。
わずか二篇、計4ページ程度の文字量のコラムに数ヶ月の時間を要してしまった。

普段から仕事でのコピーライティングやこのブログの更新などを通して〈文章〉というモノとは親和性のある人間だと思っていたのだけど、どうしたものか、今回担当したコラムはとんでもなく難産だったのだ。

数ヶ月かけて脱稿した後、その理由を自分なりに考えてみた。

・・・で、たどり着いた結論が、

世の中には、二通りの文章があるのではないか?と。

ひとつは、例えばリンゴが10個あるならば、それを寸分違わず10個あると伝えなければならない文章。

それが、今回執筆したコラム。

そしてもうひとつは、リンゴが0個、もしくはミカンが10個あるのに、それをさもメロンが100個あるように伝えなければならない文章。

これが、広告のコピー、もしくは、このブログ。

そんな結論にたどり着いた。

・・・サラッと書いたわりには、自虐を通り越して、けっこうな問題発言かも(笑)😅



          ◆



まぁ、何はともあれ、日本の古代史に興味をお持ちの方は、ぜひ。
もちろん、日本の古代史に興味をお持ちでない方にも読みやすい本となっておりますので、ぜひ(笑)
購入方法や詳細は、下記をご覧ください↓

〈御領の古代ロマンを蘇らせる会〉
『穴国の前方後円墳』ついに発刊 : 御領の古代ロマンを蘇らせる会

『穴国の前方後円墳』ついに発刊 : 御領の古代ロマンを蘇らせる会

新刊発行   『探索!御領の古代ロマン③ 穴国の前方後円墳』 -28基の前方後円墳が語り始めた吉備穴国の姿とヤマトとの関係-2013年から福山市神辺町上御領・下御...

御領の古代ロマンを蘇らせる会

 

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80年代音楽ノート。

2024-04-24 | 読書

面白かったなぁ。


プロローグの1979年からエピローグの1990年まで。

ミュージシャンで言えば、甲斐バンドからドリカムまで。

各年ごとにその年に出色の活躍をしたミュージャンを丁寧に解説してあるのだが、その全てのミュージシャンを知っていたし、紹介されている曲やアルバムも全て知っていた。


まぁ、このブログを読んでくださっている同世代の方なら同じような感じだと思うけど(笑)、80年代当時、それだけ貪るように音楽を聴きまくっていた証なのだろう。


著者は、音楽ライターの田家秀樹氏。


この方の文章は、ただそのミュージシャンや作品を型通りの説明するのではなく、当時の音楽業界だけでなく、世相や過去の出来事も有機的に繋げながら解説するスタイル。

対象となる人物や事柄を発端に、そこから〈線〉が生まれ、やがてそれが〈面〉になり、〈奥行〉になり、それらを俯瞰視した上で、最終的に本来の目的だった事象に再びズームアウトして次章に繋げる・・・と表現すればよいのだろうか。


その流れが、気持ちいい。

下世話な表現をすれば、エクスタシーすら感じてしまう(笑)

まぁ、とにかく、文章を書くにあたって本当に勉強になるのです。


田家さんの本で初めて読んだのは、浜田省吾の自伝の「陽のあたる場所」。


ハードカバーで約400ページ。

寝ながら読もうと布団の中でページを開いたのだが、内容はもとより、たちまちその文体や表現に引き込まれて、気がつけばそのまま朝を迎えてしまったことを覚えている。


・・・と、〈面白い本でした〉ということだけを書こうと思ったのに、気がつくと、またダラダラと無駄に長い文章になってしまった😅

これではいつまで経っても、田家さんのような秀逸な文章は書けそうもない(笑)


※面白い本でした。80年代に音楽を聴きまくった方は、ぜひご一読くださいませ。




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草臥れたおじさん。

2023-03-21 | 読書
いやー、それにしてもWBC準決勝は、すごかった。

休日だったこともあって試合開始の時も布団の中からテレビ観戦していたのだけど、9回裏、村神様が逆転サヨナラ弾を打った瞬間、思わず布団から飛び起きて、2塁打を打った大谷翔平ばりの雄叫びを上げ、おまけに目頭も熱くなっていた。
テレビを見て涙腺が緩むなんて、M-1グランプリで錦鯉が優勝した瞬間を見て以来だ(笑)

午後からは図書館へ。
この本を借りた。



荻原浩氏の短編小説集。

帰宅すると、午前の劇的な試合を振り返えるテレビ番組を眺めながらページをめくった。

7本の物語が紡がれているのだが、奇しくも、最初に紡がれていたのは、元プロ野球選手の物語だった。

物語の詳細はここでは伏せておくけれど、主人公はかつてはひたすら野球少年だった中年の男。
その男の回想と現在を交互に描きながら物語は進んでゆくのだけど、この物語の主人公よろしく『草臥れたおじさん』を描かせたら、この人の右に出る人はいないのではないだろうか。

『草臥れた』といっても、単に哀れで惨めな姿をリアルに描くのではなく、『草臥れ』の中に、そこはかとないユーモアや愛嬌が見え隠れしている描き方といえばいいのだろうか。
そんなおじさんを描かせたら、この人に敵う作家はいないような気がする。

そんなふうにワタシが思うのは、おそらく物語の主人公の有り様に対してワタシ自身も何かしらの心当たりがあって、共感する部分が多々あるからだろうと思う。

なぜかって?

それはワタシも『草臥れたおじさん』だから(笑)

そんなことを思いながら、本を片手にテレビを見ていたら、BSで尾道ロケの番組がはじまった。

街ブラするのは、お笑い芸人の錦鯉。

・・・出来すぎだろ(笑)
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一からやり直せ。

2022-06-04 | 読書
ワタシと同業に就いた娘が、“勉強のために”と、さっそく本を買って来た。

総額でけっこうな値段になったようだ。
いわゆる「自己投資」になるのだけど、娘曰く、会社に申請すれば経費で落としてくれるらしい。


正直、それは羨ましい(笑)


ワタシも、20代の駆け出しの頃はこういった本ばかり読んでいた。
それが血や肉になり、仕事に大いに役立った・・・かどうかは、今でもよく分からない(笑)
ただ、何もしないよりは、確かにマシだろう。

ワタシも目を通してみた。
“デザインのとっかかり”程度のモノは、最初の1〜2年目の頃こそ先輩から教わったものの、それ以降は手取り足取り誰かに教わることもなく、ほとんど我流でやって来たような人間なので、本音を言えば、この手の本を読むのは、ちょっと苦手。

もしかしたら、今まで自分がやって来た方法論や作って来たモノ自体を全否定される事が書いてある可能性もある(笑)

しかし、パラパラとめくって、ちょっと安堵。

とりあえず、広告のデザインに従事している人間としては、大筋でワタシは間違っていない様子。
まぁ、そのように自分に言い聞かせた面も否定できないが(笑)


そして、もうひとつ。


各項目ごとに例題として多様な作品が掲載されているのだけど、それらの中に

“あー、俺もこういうのを作ってみたいなぁ”

と、思える作品がチラホラあったこと。

こういう感情が自分の内側にあるうちは、まだこの仕事を続けられるような気がする。

長い間にすっかり忘れていた事や自分の思い込みでいた事も、本の中にはいくつか載っていたし、勉強し直すには、いい機会かも。

娘が読み終わったら、貸してもらうか(笑)
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初読書。

2021-01-02 | 読書
2021年の初読書は、これ。

正月から分厚い本を読む気になれないので、とりあえず絵本とムック本の中間のような類いですが(笑)

温故知新と言えばそれまでだけど、昔のグラフィックデザインから学ぶことは多い。

その内容と目的は別として、戦前・戦中のプロパガンダは、ストレートに国民に訴求しなければならないから、デザインもコピーも、今見ても唸るような作品が数多あって興味深い。

世の中のネット社会化が進むに連れて、広告宣伝もデジタル化が進み、ポスターやチラシといった印刷媒体をデザインする機会も、ここ数年であきらかに減りはじめた。

しかし、量販店のチラシのデザインから広告の仕事に入った人間としては、いまだにポスターのデザインに関わる時は、「よっしゃ!」と知らぬ間に気合いが入ってしまう。

この言葉に出来ない緊張感と静かな高揚感は、若い世代のグラフィックデザイナーには理解できないかも知れないなぁ。

そんな気持ちをいつまで持ち続けられるか?

まぁ、あと何年出来るか分からないけど、ワタシがこの仕事を続けている間は、まだチラシやポスターといった「印刷物」が地球上から一切無くなってしまうことはないと思うので大丈夫とは思っているけど (^^;)

ではでは、ピーナッツを片手にコタツに入って、これからページをめくることとします。



・・・ちなみに、戦争は嫌いです。念のため(笑)
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