上梓。
会員としてワタシも仲間に入れていただいている福山市の市民グループ〈御領の古代ロマンを蘇らせる会〉から、一冊の本が上梓された。
タイトルは、〈穴国の前方後円墳 ー28基の前方後円墳が語り始めた吉備穴国の姿とヤマトとの関係ー〉
当会は、広島県東南部に位置する福山市神辺町を中心に古墳や遺跡の調査・整備を目的として活動している市民グループ。
古代史好きで神辺町周辺の古墳や遺跡に以前から興味を持っていたワタシは、数年前にほとんど無理やりというかなし崩し的に仲間に入れてもらった。
今思えば、それはまるで〈西遊記〉で猪八戒が三蔵法師の一行に仲間入りした時のような入り方だった(笑)
そのきっかけについては、このブログにも書いたことがある↓
以降、神辺町周辺の山々を中心に、既知の古墳の整備や未発見の古墳の探索を一緒にさせていただいてきたのだが、ここ数年、それまで未知だった前方後円墳やそれらしき前方後円形の地形が立て続けに発見されはじめた(もっとも、ワタシは会員の方が発見された後に現場に一緒に行くことがほとんどだったが😅)
その中には、なんと古墳時代前期のヤマト王権成立の頃にまで遡るような歴史学的にも貴重な前方後円墳の発見もあり、これまで認知されているとは言い難かった神辺町周辺の古墳の状況を広く世間様に知って欲しいという思いから、この度、一冊の本にまとめて刊行した次第。
タイトルにある〈穴国〉とは、(あなのくに)と読み、正式には〈吉備穴国〉(きびのあなのくに)という。
これは古墳時代に、現在の神辺町に広がる神辺平野に存在したとされているクニの名前であり、大雑把に書けば、新たに発見され本書に掲載されているいくつかの前方後円墳は、この吉備穴国の歴代首長のお墓なのではないか?と当会では推測しており、本書ではこれらの前方後円墳の解説を通して、かつて存在した〈吉備穴国〉の姿だけでなく、はるか遠く大和にあった当時はまだ黎明期だったヤマト王権との繋がりまでも推測してみようと試みている。
そしてそして。
この度、この本書の表紙・裏表紙のデザインを、グラフィックデザインを生業にしている手前、僭越ながらワタシが担当させていただき、その上、本文中のコラムも二篇ほど執筆させていただいた。
こちらが、表紙デザイン↓
背景の黒と青のマダラ模様のテクスチャ画像は、夜明け前の空をイメージしたもの。
これは〈御領遺跡・御領古墳群〉を要する吉備穴国の全貌が本格的に陽の目を浴びようとしていることを表現したのと同時に、〈御領の古代ロマンを蘇らせる会〉が、単なる歴史愛好家の集まりの枠に収まらない、一線を画す活動を始めつつある、ということの2つの意味を持たせた。
制作に入った直後は、最終的にどんなデザインがなるのか自分でも予想できなかったのだけれど、どんなデザインになるにせよ、上述した意図は絶対に内包させた表紙にしようと決めていた。
全体的に迫力&重厚な表紙になってしまったが、書店の歴史コーナーの棚に置いてある、いわゆるムック本と遜色ない表紙デザインになったのではないかと思っている。
まぁ、日本の歴史学界に一石投じるどころか、ある意味ケンカを売る心持ちで作った本なのだから、〈ハッタリをかましてますが、何か?〉というところだろうか(笑)
そして、執筆したコラム二篇。
結論から言えば、難しかった・・・😓
執筆したのは昨年の今頃から8月ごろ。
わずか二篇、計4ページ程度の文字量のコラムに数ヶ月の時間を要してしまった。
普段から仕事でのコピーライティングやこのブログの更新などを通して〈文章〉というモノとは親和性のある人間だと思っていたのだけど、どうしたものか、今回担当したコラムはとんでもなく難産だったのだ。
数ヶ月かけて脱稿した後、その理由を自分なりに考えてみた。
・・・で、たどり着いた結論が、
世の中には、二通りの文章があるのではないか?と。
ひとつは、例えばリンゴが10個あるならば、それを寸分違わず10個あると伝えなければならない文章。
それが、今回執筆したコラム。
そしてもうひとつは、リンゴが0個、もしくはミカンが10個あるのに、それをさもメロンが100個あるように伝えなければならない文章。
これが、広告のコピー、もしくは、このブログ。
そんな結論にたどり着いた。
・・・サラッと書いたわりには、自虐を通り越して、けっこうな問題発言かも(笑)😅
◆
まぁ、何はともあれ、日本の古代史に興味をお持ちの方は、ぜひ。
もちろん、日本の古代史に興味をお持ちでない方にも読みやすい本となっておりますので、ぜひ(笑)
購入方法や詳細は、下記をご覧ください↓
〈御領の古代ロマンを蘇らせる会〉