3.荒川車庫前電停の構造と都電車両の諸性能
荒川車庫前はその名の通り、都電唯一の車庫の最寄りの電停で、
三ノ輪橋方面にだけ、降車専用ホームと乗車専用ホームに分かれている。
これはここで運転手の交代を行うためで、
降車専用ホームで運転手が交代し、そのまま乗車専用ホームまで移動する。
乗車を待つ客と運転手が別のホームで待つようになっているのだ。
また上下線にそれぞれ回送線があり、列車の出し入れを行っている。
ここで暫く上下線の列車の取材をする。
8800形は既に車両取材済みだったが、8800形の改良型の8900形や、
7000形の車体を流用して誕生した7700形などは初取材だ。
8800形は2009年より新型車両として10両が製造された。
主電動機はかご形三相誘導電動機、主電動機出力は60kW×2個=120kWで、
IGBT素子VVVFインバータ制御、並行カルダンWNドライブ。
8900形は8800形のデザイン変更車で2015年に登場、8両が製造された。
主電動機はかご形三相誘導電動機、主電動機出力は60kW×2個=120kWで、
IGBT素子VVVFインバータ制御、並行カルダンWNドライブ。
7700形は7000形の車体に台車や電装品を8900形と同様のものに交換した更新車で、
2016年に登場、現在6両が運行中であるが、7000形廃止に併せて8両まで増備予定である。
主電動機はかご形三相誘導電動機、主電動機出力は60kW×2個=120kWで、
IGBT素子VVVFインバータ制御、並行カルダンWNドライブ。
1990年に登場した8500形5両と2007年に登場したイベント対応車9000形2両も含め、
営業車両の性能がほぼ同じとなったわけで、
車体性能が揃ったことでスムーズな運行が可能となる筈である。
荒川車庫前に待機中の8900形8902には、
「東京さくらトラム」を愛称決定のヘッドマークが掲げられていた。
荒川車庫前で暫く取材して、それからふと以前から気になっていた都電最中のことを思い出した。
スマホで検索してみたところ、梶原電停が最寄りの店で販売しているようで、
荒川車庫前からはひと駅の距離である。
そこでここでの取材を切り上げ、梶原方面に向かって歩き出した。