6.転車台の「大樹」と個室での帰京-旅の終わり
鬼怒川温泉に到着したSL「大樹3号」は客を降ろすとホームから出て行った。
それを見送って改札を出て駅取材していると、駅前にアナウンスが流れる。
それによるとこれから転車台で「大樹」を牽引したSLの回転をやるという。
鬼怒川温泉駅前には転車台が設置され、C11形207号機の方向転換を見せる。
これはすごく良いアイディアだと思った。
本来は機関車の方向転換などは車庫などでこっそりとやるものだが、
それを公開することで観光資源としようとは良い考えである。
転車台の前でY氏と待っていると、遠くから汽笛が聞こえてくる。
そして車庫のあると思われる方向からC11形207号機がゆっくりやってくる。
C11形207号機の後方には車掌車が連結され、そこにも乗務員がいる。
ゆっくりと転車台に乗りロックされる。
何故車掌車が連結されているのか疑問だったが、
転車台の上に乗った状態で初めて気付いた。
機関車に車掌車が連結された状態で転車台の寸法にちょうど良いのである。
転車台は機関車本体の後ろに炭水車を連結したテンダー車の寸法に作られているため、
石炭や水を機関車本体に搭載している小型のタンク車では寸足らずになってしまうのである。
それでも勿論いいのだが、転車台のギリギリまで乗せることで観客との距離が縮まるし、
その分迫力も出せることになるため車掌車を連結したのだろう。
転写台に乗ったC11形207号機と車掌車は回転をはじめ、途中で止まって汽笛を鳴らす。
汽笛にはそれぞれ意味があってアナウンスでそれを解説する。
停まることで写真を撮りやすくしているのかもしれない。
回転を終えるとまたゆっくりと車庫に戻っていった。
これを見送ってまだ1時間半以上時間が残っていたのでY氏とともに駅前を散策、
偶然見つけた「れすとらん八家」でバウムセットでブレイクする。
それでもまだ時間が余ってしまったので駅まで行って待合室で時間を潰す。
帰りは15:43鬼怒川温泉始発の特急「きぬ138号」で帰ることになっている。
早めにホームに入って列車の入線を待った。
特急「きぬ138号」は100系「スペーシア」109編成が充当されていた。
東武鉄道は100系「スペーシア」を2011年からリニューアルが実施してきた。
109編成は2012年2月6日に「粋」編成に改造それ、
窓枠のラインも「隅田川の水をモチーフとした淡いブルー」に変更された。
今回はスペーシアに1両だけ連結されている個室をY氏と折半で予約していた。
やはり個室だとゆったり出来るし、椅子に座りっぱなしの移動よりはリラックスできる。
2時間2分で浅草まで戻り、帰りに一杯飲もうということになり、
東武鉄道浅草駅の駅前にある「神谷バー」に入ろうとした。
しかし満席で名前を書いて待たされることになり、
駅近くの別の店を探し「魚きち」で子持ちししゃもや中トロでビールを飲む。
解散してから神谷バーの売店でデンキブランを購入し、
都営浅草線で京成線直通で青砥まで行き、京成本線で京成津田沼、
京成千葉線に乗り換えて帰る。