一度は来て見たかった、草津温泉の湯畑。
すり鉢上の地形の底で滾々と湧き出る96度の高温の温泉が、もうもうと湯気を立てていて、湯の花で白くなっている木製の樋を流れ落ちるさまは、地球のダイナミックさを垣間見られてそそられてしまう。
泊まったホテルはもちろん源泉掛け流しで、高温の温泉を細く長いパイプに通し冷ましてから湯船へと注いでいると説明があった。
無色透明で硫黄の匂いもほどほどに、体の芯まで温まるとても良いお湯だった。
長逗留しての湯治をしてみたいと思える、街の雰囲気もいいものだ。
そういえば、この湯畑を囲む囲いに、ここを訪れた有名人の名が刻み込まれていた。
一番古そうな人物は、さっとみたところヤマトタケルノミコトだったような。
きっとこのお湯のよさに、使命も忘れてくつろいでいたのではないかと想像したのだった。