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美人とコサックダンス、ウクライナのキエフ

2013-09-28 21:47:56 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」黒海を南に従えるウクライナの首都キエフ。
ドニプロ川が優雅に流れ緑豊かなこの街は、「森の都」と謳われる。
美人が多いことでも有名で、映画「バイオハザード」でおなじみのミラ・ジョボビッチもウクライナ出身だとか。
コサック・ダンスはロシアのものだと思われがちだが、実はウクライナ発祥で正式には「ホパーク」というらしい。ホパークは、勇猛果敢な戦士コサック兵が、鍛錬と戦の前の精神高揚を目的としておこなっていた。
近年では、男性のみだったホパークも女性の参加が認められ、伝統舞踊の趣をなしてきている。
ちょっと変わった建築物「怪物屋敷」は、アール・ヌーヴォー様式で、”キエフのガウディ”といわれるポーランド出身のレシェク・ホロデツキが設計したものだ。
建物全体が動物や怪物彫刻で装飾され、奇怪な様相を呈している。

それでは、グルメ。
「タラス・プーリバ」は、郷土料理を提供してくれる。
これもやはりウクライナ発祥の家庭料理”ボルシチ”は、キャベツ、ニンジン、タマネギなどどんな野菜でも具材になり、ビーツは甜菜の仲間でボルシチらしい色と酸味と糖分や風味に欠かせない。
食べる直前にサワークリームを溶かしいれるときれいなピンク色になる。
”チキン・キエフ”は、キエフ風チキンカツレツ。
バターの塊を薄くたたきのばした鳥の胸肉で包み、衣をつけてからっと揚げる。
淡白な鶏肉が、コクと風味がつきジューシーになっておいしそうだ。
「ワレニチナヤ」は、ウクライナの水餃子”ワレニキ”の店。
小麦粉で作った薄く丸い生地で、合いびき肉やジャガイモとキノコ、チェリーなど30種類の具材があり、何でも包み茹でる。

ウクライナは、険しい山のないなだらかな土地が続く。
圧巻なのは、広大なひまわり畑で、サマータイムの風物詩となっている。
ウクライナでは、ひまわりの種をよく食べるようだ。
ルアノヴスキー市場には、ひまわりの種の専門店が店を構えている。
煎って塩をまぶしたひまわりの種は、小腹が空いたときに食べるものなのだとか。
「ドミニク」では、ひまわりの種を使ったケーキ”ひまわりのノルヴァ”がある。
甘さ控えめで、口解けのよいケーキだ。

スラブ系では、よく刺繍を施した民族衣装がある。
「ルータ」は、伝統のヴィシュヴァンカを現代風にアレンジした服を展開する。
キエフでは赤と黒の糸の刺繍が伝統らしいのだが、それにとらわれずに同色系にシックにまとめた刺繍に明るくポップな色合いの刺繍をワンピースやドレスなどに刺繍し、ヴィシュヴァンカの復権を果たしている。
ほかに、個人でもアイディアを生かしてオンラインストアを構える人がいる。
オレーナ・シースニクさんは、足が本から突き出したデザインのユニークなブックマークを制作販売する。

「ラ・ルズ」は、スパ専門店。
サウナでおこなう白樺の葉マッサージは、白樺オイルが美肌効果を生む。
クリミア半島の土のマッサージは、アンチエイジングがある。
この土は、野生動物がキズを癒すため土にまみれていたことで特別な効果があると発見されたらしい。
シャルコー・シャワーは、高圧の水でマッサージをおこなう。
美人王国のウクライナの女性は、日々地道な努力をおこなってその美しさを磨き維持しているのか。

内陸にあるため、冬の寒さが厳しいウクライナ。
暖炉ペチカは、暖をとるための重要なもの。
また、その熱を無駄にしない工夫に、オーブンとしての機能もある。
陶器のつぼ型の鍋をペチカに出し入れに使う、小ぶりな「さすまた」のような器具は、16世紀あたりから使われているそうだ。

自分にとってのキエフは、以前住んでいた街のはずれにこの名のロシアレストランが初めての出会い。
まだ小学生だった頃、初めてピロシキやボルシチ、ビーフストロガノフを食べ、そこに飾ってあるキエフなどの街の写真やマトリョーシカを見て、異国情緒も味わった。
そうだ、「兼高かおる世界の旅」的片鱗に触れて、心ときめいたのを覚えている。
なかなか本物のキエフに行けそうもないけれど、夢は持ち続けていよう。
あの輝く黄色のひまわり畑を歩いてみたいから。

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