とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

11月の看護部・検査部便り

2011年11月02日 | 看護部・検査部便り
11月の看護部・検査部便り


皆様、こんにちは。
秋に入った!…っと思ったらどんどん寒くなり、もう11月。
今年も残すところ、あと少しになりました。
やり残したことはありませんか?
私はダンシャリを早く終わらせて、
すっきりとした新年を迎えられるように準備したいと思います。


今回も前回に引き続き、
「男性不妊について」お話したいと思います。

今回は、
「検査の結果が悪かった。では、その方針は?」です。

男性(夫)側に原因があるため不妊症になるカップルは年々増え、
不妊カップルの30%~40%位を占めているとされています。

ですから夫側の検査や治療はとても重要な問題です。


1.精液検査

①精子異常が軽い場合
 通常、夫側に精子の状態を改善させるべく、
 前回紹介した漢方やクロミフェンを使用する薬物療法をおこないながら、
 人工授精(AIH)を3~4回行います。

これでも妊娠に至らない場合は体外受精・顕微授精に移行します。

②精子異常が高度の場合
 精子数や運動率が悪い場合では人工授精(AIH)は有効ではありません。
 このような例では直接体外受精・顕微授精への移行が必要です。

③精子がいなかった場合
 TESE・MD-TESE(精巣精子採取法・精巣を直接調べ精子の有無を検査する)と
 呼ばれる治療への移行が有効です。
 TESEは、陰嚢を0.5cm~1.0cmほど切開し、精巣内部の「精細管」と呼ばれる組織を採取、 
 そこから精子の有無を調べる方法です。
 しかし、
 このTESEの場合だとランダムに精細管を採取するため精子が見つかる確率は低いことから、
 現在では顕微鏡を用いて精巣内を観察し、
 状態の良い精細管を選んで採取する「MD-TESE」(顕微鏡下精巣精子採取法)という方法を
 採用しています。
 こうして採取された精子は凍結保存され)、顕微授精に用いられます。
 しかし精子自体が見つからなかったり、質の悪い精子しか確認できない場合には、
 受精能力で勝る<精子になる一歩手前の状態>の「後期精子細胞」を探し顕微授精を行います。



2.性交後検査

2周期通して検査結果がわるかった場合は人工授精(AIH)への移行が有効です。
もちろん、精液検査の結果によっては直接体外受精・顕微授精への移行が必要です。
この検査は女性側の要因もありますので、精液検査が良好の方でもステップアップを行うことはあります。


3.睾丸の検査や男性ホルモンの検査

精索静脈瘤や男性ホルモンの分泌異常、前立腺炎などはっきりした原因があり、
このような例ではその原因を取り除くよう、手術や薬物療法が有効です。
しかし、最近は、手術や薬物療法をとらずにステップアップを進めていく傾向にもあります。



4.勃起障害(ED)

バイアグラなどの治療薬が有効です。
また膣内で射精ができない場合(射精障害)は、自宅にてマスタベーションで精液を採取し、
奥様に持参してもらい人工授精を行うことは簡単にできますし有効です。
sexlessの場合も同様、人工授精(AIH)が有効です。


このように、男性側から見たステップアップもあります。

しかし、
「検査をしても問題なかった。じゃぁ、僕達はタイミング治療からで、問題ないね♪」
…と、いうことにはなりません。

とくに、女性の年齢(卵巣機能)や検査結果など、
経過からステップアップについての話しは出てきます。

お2人で、よく話し合いになられて下さいませ。
私達は、より良い選択が出来るようサポートして参ります。

また気になることができたら、いつでもスタッフにお声をおかけください。

とくおかレディースクリニック看護部・検査部スタッフより

とくおかレディースクリニック


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