

今月のラボ便りは、胚(受精卵)の評価方法についてです。
受精した卵が順調に成長すると、
一つの細胞が二つに分裂(分割)し、
二つの細胞が四つに分裂(4細胞期)・・・・・
という風に進んで行きます。
しかし、
同じ4細胞期の胚であっても、全て同じ状態という訳ではありません。
そのため、
胚を見た目で評価(グレーディング)しています。
その方法は
(1)一つ一つの細胞の大きさが等しいか
(2)フラグメンテーションの有無と量
で決められます。
(2)のフラグメンテーションとは、
細胞が分裂する際に生じる細胞が断片化したもので、
一言で言えば不必要なものなのです。
このフラグメンテーションが多いと、
その胚の状態はあまり良くないとされています。
ですが、
実際には、このフラグメンテーションについてはあまりよく分かっていません。
フラグメンテーション自体が、何か悪さをするというわけではなく、
フラグメンテーションの多い胚を調べると、
染色体異常を持つ胚の割合が高いと言われています。
つまり、
グレードの低い胚ほど、染色体異常がある可能性が高い=妊娠率が低い
ということになります。
ここで重要なのが“可能性”ということです。
グレードが低いと妊娠率は下がりますが、
必ず妊娠しないというわけではありません。
逆を言えば、
きれいな胚で、グレードが良くても、
妊娠しない場合もあるということです。
また、
同じ細胞数・グレードであっても、
20代の方と40代の方では妊娠率は大きく異なります。



