

皆様、こんにちは。
今回は、
ARTでご懐妊された方のホルモン補充について書かせて頂きます。
通常、妊娠が成立すると、排卵した卵胞が妊娠黄体となり、
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類のホルモンを産生し、妊娠を維持します。
ホルモン補充周期による胚移植では、
妊娠黄体が形成されないため、自分の中からホルモンは産生されません。
ですので、
卵胞ホルモンと黄体ホルモンを薬で補うことによって妊娠を維持します。
飲み薬や貼り薬など、いくつかのお薬を使用します。
いづれの薬も、妊娠維持に欠かせないものであり、
万が一飲み忘れてしまうなどすると、流産に繋がってしまいます。
特に、黄体ホルモンは、妊娠を維持するために重要なホルモンです。
当院では、
胚移植後、2種類の方法で黄体ホルモンを補います。
1つ目は注射です。
注射は確実に血中のホルモン濃度を上げてくれます。
2つ目は腟錠です。
腟錠は発泡性のため、溶解が速やかで吸収が早く、
挿入後すぐに血中濃度が高くなり、安定したホルモン濃度が得られます。
以下は、
腟錠について皆様から受ける質問をご紹介します。
Q.出血があるが腟錠は入れたほうがいいか?
A.出血があっても腟錠は入れてください。
腟錠によって妊娠を維持していますので、
腟錠を使用しないと、最悪の場合、流産してしまうこともあります。
出血があると腟錠を使用することを不安に感じるかと思いますが、
出血があっても必ず腟錠は使い続けてください。
Q.腟錠はどこまで入れたらいいか?
A.できるだけ奥に入れてください。
可能な限り奥まで入れてください。
その際に腟壁や子宮の入り口にこすれて出血することがあるかもしれませんが、
妊娠に悪影響を与えるものではないので心配はありません。
しっかりと奥まで入れることが大切です。
Q.膣錠を入れた後に薬がもれてくるが問題ないか?
A.問題ありません。
膣錠を入れると、体温で薬が溶けて出てくることがあります。
薬の成分は30~1時間ほどで吸収されますのでお薬の効果に影響はありません。
Q.指で入れてよいか?
A.指で使用しても大丈夫です。
指で使用する際には、清潔な状態で奥まで挿入してください。
他にも気になることなどがございましたら、
どうぞいつでもお気軽にスタッフにお声掛けください。



