とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

11月のラボ便り

2013年11月07日 | ラボ便り
11月のラボ便り


皆様、こんにちは。
今月のラボ便りでは、胚(受精卵)の凍結についてお話し致します。

胚を凍結することによって、細胞の生命活動を休止状態にすることができます。
つまり、適切な方法で凍結し、
適切な方法で融解(解凍)することによって、
胚を望む時に子宮の中に戻すことができます。

どのように凍結するのかと申しますと、
胚を液体窒素(-196℃)に直接浸け凍結させます。
しかし、そのまま浸けただけでは胚は生存できません。

胚の細胞ではその85%が水分です。
この細胞をそのまま低温で凍らせると、
水が氷晶(氷の結晶)となり、
細胞にダメージを与えてしまいます。

このようなことを避けるために、
胚を凍結する際には、
細胞内の水分を取り除いた状態で凍結します。
そして、融解する時に再び水分を細胞の中に戻します。
この処理を行うことによって、
胚がダメージを受けることなく、
長期の保存が可能となっています。

ただし、細胞自体が弱く、凍結に耐えられないと、
変性(細胞が壊れてしまう状態)する場合があります。

また、一度凍結融解した胚を再凍結する場合がありますが、
一度や二度の再凍結によって、
問題(妊娠しづらくなる、児に異常が出るなど)が生じることはありません。
生じる可能性のあるリスク(胚の変性など)は、一度の凍結融解と同じです。

当院の胚凍結は一年ごとに更新が必要です。
保存タンクには限りがこざいますので、
期限が過ぎる前に、
凍結期間延長の有無のご連絡をお願い致します。


とくおかLCラボスタッフより


とくおかレディースクリニック




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