つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

山口薫作品

2023年02月06日 | 山口薫
久しぶりに山口薫作品を応接室に出しました。

思うに、これほど「当店の山口薫らしい作品」はないように感じます。

詩人 < 絵描き  の作品といえましょうか?

「湖畔を飛ぶ影」

ともすると中学生も描きそうな場面に湖畔という音の響きを選ぶ薫のセンス。

計算された遠近と観る者を「人恋しくさせる」美しい色の展開。










日本人の素晴らしさは境界線を引かないこと。

こうして薫作品を見ていると日本画への理解が一層深まるような気がし、逆に日本画を鑑賞せずに日本近代洋画を味わう事はできないように思えてきます。


また明日以降、展示の様子を御覧いただこうと思います。

今週もよろしくお願い申し上げます。







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小茂田青樹作品

2023年02月06日 | 小茂田青樹
エントランスには、お馴染みの鏑木清方と小茂田青樹作品を。









清方の「奴凧」も、そろそろ箱に仕舞う頃となりました。

作品の余白が年末年始の慌ただしい気分を和らげてくれる、そんな作品です。






個人的には速水御舟より、小茂田の作品の方が好きかも知れないと思う時があります。

御舟を理知的と表現するなら、青樹は極めて叙情的。

叙情的ということは、青樹は天才御舟より多く「人間」というものについて考えていたのではないか?と思います。

余白の「粋」については、若い頃関東に住んでいた時の方が、よくそれを味わうことができていたように感じます。

これは地域、その風土に生まれる文化の違いのようにも思われます。

ビルの多い東京の空は狭く、名古屋の空は広い。

その空の下で暮らす人の心に、好みの余白の違いが表れてくるのは当然かもしれません。






小茂田青樹 額 梅花小禽 絹本・彩色 古径箱 東美鑑
20.1×27.5㎝ 880,000
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