今年は冨田渓仙の作品を多く集めさせて頂きました。
かといって、まだまだ皆さまにお求め頂く機会は少ないのですが、まさに「自己満足の世界」で大変満足致しております^^;
今回は「雪」を二題。
竹林残雪 と 兎道春雪図 です。
雪を描き分ける。
しかもこの早い筆の運びの中に構図、墨の濃淡、余白、色彩に色々な配慮、技法を取り入れ、日本の冬から春の季節の移り変わりを見事に表現しています。
竹林残雪 では、山々にまだ雪を深く残しながら、空に高く伸びようとする竹が決して積雪を許さず、雪を次々に溶かし、それを川に勢いよく流していく印象を..
兎道(うじ)春雪図では、、京都宇治の山深い寺院の屋根を、春の水分を多く含んだ雪が少しづつずれ落ち始めている様子を
紙の素地の白を活かして表現しています。
画面の一番下、川の薄い青はとても綺麗で、竹林図の川と比べ、その流れは穏やかです。
空の明るさ、雲の流れ方、山の高さ、植物の植生、建物の美しさ、川の傾斜、水量、雪の質感、働く人の命、
全てを教え、私をこの場に誘ってくれる作品たちです。
特に春雪図の表装は、中村鶴心堂さんによるもので大変美しく、重厚感があり、56歳という若さで他界した渓仙という画家が、その短い生涯にいかに立派な境地に辿りつき、広く画壇で活躍をされていたかをよく伺える手当が施されています。
こうした作品を眺めることの楽しみ、ウキウキ感を、お若い世代の皆さまにお伝え出来れば私たちも画商として一人前であろうと思いますが、まずこうして事あるごとにギャラリーに作品を飾り、小窓の外から、またお立ち寄りくださる皆様に作品をご覧に入れることが大切だと感じています。
クリスマスのイルミネーションの美しい名駅、栄辺りのお散歩のあとに、どうぞ東区高岳の小さなギャラリーの小窓を
少し覗いていただけましたら幸いです。
※納品のため、竹林残雪図の画像を削除させていただきました。
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