つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

この地方の展覧会

2024年11月16日 | おススメの展覧会、美術館訪問
この一年半は、私自身が美術館さんにほとんどお邪魔しておりませんでしたので、ブログにも展覧会のご案内をさせていただいておりませんでした。

コロナの心配も薄まり、これほど外国の方が日本にいらっしゃるようになって、少し日本的な美術品の展覧会も多くなってきたように思いますので、この年末から年始のこの地方の美術館さんの展覧会の広告をご覧にいれようと思います。











私個人としては、名古屋市の民藝の展覧会、碧南の鉄斎展、三重パラミタミュージアムさんの京都日本画展、岐阜美術館さんのルドン展などに行きたいと思っていますが、名古屋市美は兎も角、果たして1人でちゃんと行けるかな?と少し不安になったりしています。何年も住んでいるのに、名古屋駅の地下で迷子になってしまうことも多々ありますので💦


それでも、このところの自分のお勉強不足と脚力の衰えには目を覆いたくなることばかりですので🫣、行動を起こさないと!と思っています。5000円ほどのタクシー代を持って、歩く癖をつければ方向音痴も解消しやすくなりますよ🚶‍♀️と大変健脚でいらっしゃるお客様が教えてくださいましたので、その言葉を信じて歩かなければ!と思っています。


また、つい最近、日本画家の田淵俊夫先生が、お手紙をつけて名古屋松坂屋さんの院展の招待券を沢山お送りくださいました。

お近くでお出掛け予定の方がいらっしゃいましたら、こちらもどうぞご利用ください。


明日、明後日お休みを頂戴いたします。
どちらかで早速展覧会に出かけられたら上出来ですが〜どうかしら?

早くも年末の慌ただしさが予見される頃となりました。
皆様も休日を有意義にお過ごしくださいませ。


山口薫展へのお出かけもどうぞお忘れなくいらしてください。

最高5回?2回は当たり前!何度も皆様に足を運んで頂いている展覧会です。








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今日の佐橋美術店

2024年11月15日 | 山口薫展
昨日、エントランス正面に飾らせていただていた作品をご来店のお客様にお納め致しました。

10号の作品を壁から外し、箱に仕舞うのもこのご夫妻のお客様にお手伝いいただきました。

また、その空いた壁に何を飾るか?のご心配もいただき、あちらの作品をこちらに、、結局4点ほどの作品の移動をご一緒にして頂いてしまいました。


私個人としては本当に楽な作業となり、大変助かりましたが、「一年半前、1人の店番になった当初はこれほど各お客様にお手伝いしていただかなくてもなんとかなったのに。。」と申し訳ない気持ちになりました。


皆様に甘えすぎて私の「ありがとうございます」も何かこう、陳腐なものになってしまっているかもしれませんが、日々皆様のご親切に深く感謝しております。ありがとうございます。そして、その感謝を通勤途中やお買い物先などでの小さな笑顔や気遣いに変えて世の中にお返しできたら良いなぁと思っています。




さて、今日の名古屋は曇りから雨に変わり、店内の撮影がし易く感じましたので、少し画像をご紹介致しますね。











お納めした作品を飾っていたエントランス中央の漆喰の壁には、「太陽と馬」を飾りました。
キリッと空間が引き締まった感じた致します。
同じ展覧会であっても、10月から11月への季節の変化を少し入り口に表現したいと思いました。

エントランスは馬!馬!馬!になりましたが、山口薫は既に中学生の絵日記のようなものに、馬ばかり描いていたと
いう記述を見つけましたし、なんと言っても馬は薫作品の代名詞でもありますのでこれも良いかなと感じています。










ギャラリー内の壁面、テーブル寄りの壁は「栗」とこの「赤い樹と黄色い樹」の2点がけでしたが、昨日「栗」をショーウィンドウに
戻し、「赤い樹と黄色い樹」の一点がけにしてみました。

こちらの作品は女性にとても人気ですが、一点がけにしてみると、余白が大きくなり森の中に赤と黄色の木が立っているように
感じられました。





なるほど、この壁面を一点がけ専用にして、門やマリモの佐橋がお気に入りだった作品を順に掛けてみても良いなぁと考え始めています。十分に独立し、広い壁面でもそれぞれ美しい個性を発揮する作品たちだと思っています。3日か4日おきに掛け替えてみますね。








この小品に、ご来店の日本画家の先生方が「これ水彩でしょう?」と言われるのですが
そして、確かに水彩っぽいのですが、鑑定書に紙・油彩となっているので、一応紹介プレートにはその表示のままにしてあります。

一昨日お立ち寄りくださった弥栄さんと「これいい作品だよねぇ。でもわが庭、茶色い竹かぁ」とタイトルの話題もなりましたが、結局どうやら下に水があって、上高地の大正池とか明神池とかそういう風景画にしか見えないということになりました。

残念ながら画集などに作品の画像や資料もみつかりません。でも、皆さんに一度ご覧いただきたい作品です。
11月の声を聞いてからますます深みが増しています。










通路などはあまり変わっていません。






先週から日本画の先生たちなどプロ的な視線をお持ちのご来客が多いので、人気は一挙にこの作品に集まりました。
確かに美術館の山口薫展への出品を考えるとこの作品が1番近いのかもしれません。






牛の顔のこの黄色い部分を不思議に思っていましたが、ギャラリーの壁に掛けて距離をとってみてみると、
この黄色が見事に薄まって、牛の肩の線とつながり、牛が牛舎からグィ〜と首を出している臨場感が強まり、
思わず鳥肌が立ちました。






後日またご紹介いたしますが、山口薫の名を世に知らしめた張本人のお一人であった今泉篤男さんは、薫の画家としての最盛期を
1950年代と表明されていますが(60年代以降の晩年の作品には別の価値付けをされています)

この牛と小鳥も1957年制作で、モダンでありながら大変力強い作品だと思います。












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ご感想など

2024年11月14日 | 山口薫展
山口薫展、展覧会前、展覧会後にみなさまがお送りくださいましたメールやお便りの中からいくつかを、一部文章を抜粋してご紹介させていただきます。

ご感想などお寄せいただいた皆様にはお一人お一人にブログ掲載へのご意向をお尋ねしておりませんこと、お許しくださいませ。
勝手ながらご意見などございましたら、ご連絡をたまわりますようお願い申し上げます。













妙義山といえば群馬ですね。山口薫は故郷の風景や思い出を繰り返し描いており、群馬を代表する画家でしたね。
1939年の代表作の一つの「紐」の前には写実の時代があったそうですが、私は見たことがありませんでした。
「妙義山遠望」や「秩父遠望」その時代のものなのですね。実に堂々とした近代日本洋画ですね。
 
晩年の「月や馬や鳥や猫」も切ない一日の終わりの休息風景なのでしょうか。
むしろ「栗」の絵に癒しを求めたくなるかもしれませんね。
山口薫展楽しみにしております。











展覧された山口薫の作品、いずれも素晴らしかったです。
「牛と小鳥」はほんわかと明るさがあり、スローな牛とクイックな小鳥とのバランスがユーモラスであり、
おしゃべりで自由に飛び回れる小鳥のあり方に対する牛舎(この世のしがらみ)に閉じ込められ寡黙な牛(薫)のあこがれ、または戸惑いのようにも思え薫独特のの世界観、とても心がじんわりと豊かになりました。
こんな作品が自宅にあれば幸せだと思うのですが、大谷翔平に特大のホームランを打たれたピッチャーのように
至極真っ当ですが、遥か自分の予算には及ばない価格に完全に打ちのめされた感じです。
それでも、薫の「いのり」や清宮のガラス絵も素敵でした。









日暮れが随分早くなってきました。
突然の訪問ですみませんでした。
山口薫展、あれだけ揃うと圧巻です。

良かった作品は、「娘と牛」色彩が良い
「牛と小鳥」ややデザイン的なところがモダン
「太陽と馬」馬が割とリアル、バッグの黄色が美しい
水彩「或る楽しい日」壁画としても非常に良い。額もピッタリ。

薫は画文集が大変似合う作家さんです。
詩情があります。それぞれの絵のキャンバス裏に
短い詩がついていてもいいですね。「作家の言葉」です。

弥栄画廊さんはよくあれだけ良い作品をお集めになられたものですね‼︎
恐れ入りました。





いつもお通いくださるお客様、今回初めてご来店くださいましたお客様、それぞれ率直なお気持ちをお伝えくださり、私自身も大変参考になりました。心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。


会期が終わって少しホッとしておりますが、その間に調べられなかったことなどを今も資料で探っています。

以前の記事で、「悲しみを見定める」という小林秀雄の言葉を引用させていただきましたが、今回の展覧会での私自身のテーマは「薫が何を考えていたか」ということです。

画家が何を感じ、何を考え、何に苦しんでいたのか?

普通近代日本絵画に触れる時、作品を見ればそれは自ずからなんとなく感じられるものですが、薫に限っては直接的にそれを感じさせず、ただじんわりと温かく、ただ果てしなく寂しく。。

微かに画集などに言葉を添えてくれていますが、その言葉さえも詩として謎のままということが多々あります。

具象、抽象、近代日本洋画壇に、これほど「絵画の芸術性」を突き詰めた画家がいただだろうか?
と今あらためて感動しているところです。

そしてこの画家の晩年の思想の中心に松尾芭蕉がいたのではないか?という資料を見つけて喜んでいます。






ただ、照れ屋さんで気の小さい寂しがり屋さんで、大酒飲み。。という表層的な関心は、今回私から全てなくなりました。

山口薫の本当の魅力。

それを佐橋が身を持って、弥栄さんが全ての作品を持って、画商として皆様や私に強く伝えてくださっているということに今やっと気づきました。

私はなんと子供であったことだろう。そう感じ、

山口薫作品と日々お暮らしの皆様、今からお暮らしくださる皆様のご意見をこれからもぜひお聞きして参りたいと思っています。

一度ご来店くだされば、同じサロンのお仲間同士。


店で額を吊るすお手伝いをお客様にお願いしてしまう図々しさを持ってお伝え致しますが、
「どうぞ、このブログにもコメントなどみなさまの更なるご協力を賜りたくお願い申し上げます。」












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山口薫展

2024年11月12日 | 山口薫展
今回の展覧会には、沢山の方にご来店をいただきました。

名古屋にご用事のおついでもあったと思いますが、京都や東京からも何人かの方にお越しいただきました。

その中に19さん。
覚えていらっしゃるでしょうか?私が脇田和の少女の作品でクイズを出させていただいたときに、唯一正解をお寄せくださった女性の方。

その19さんが、ご主人さまとご一緒に今回東京からわざわざお出かけくださいました。

初めてのご対面。

ご予約をいただいてから、なんだかドキドキ落ち着かず、緊張してしまいました。ブログをご覧になっているとおっしゃってご来店くださる方はいままでも沢山いらしてくださいましたが、女性は初めてです。

しかも、以前からブログをお読みくださっているとのこと。。

実際お会いしてみると、とてもお優しく謙虚な方でいらして、またご主人さまも素敵な方でいらして、「あんなに緊張していたのはなぜだろう?」と思うくらい、私はぺちゃくちゃと一人興奮してお話をしてしまっていました。

また19さんも、名古屋にいらっしゃるのにかなり緊張をされていらしたとお聞きして、今流行りのマッチングアプリではありませんが、両想いのご対面だったのだと嬉しく思いました。


19さんは、先日私がクイズに出させていただいた山口薫の「妙義山遠望」についても、作家名がおわかりになったそうで、私が「どこをみて?」とお尋ねすると、「妙義山ということで、薫の出身地のことも思いましたし、画面の下半分の畑の描写で山口薫かな?と思いました」と教えてくださり、(*_*;びっくり!「ええーーはたけでぇ??」となりました。サインが見えたとかそういうことではないですよ。畑の描写に薫らしさを感じたとおっしゃるのです。

ブログを通し、いままでお会いできた方たちは本当に素敵な皆様でいらっしゃいましたが、この19さんの才能というか「眼」はただ者ではないなぁと改めて感じました。

もちろん、今回の薫の展示も楽しそうに、また深くご鑑賞いただきました。
そして、なんといってもその19さんに当店の「湖畔を飛ぶ影」をお褒めいただいたのは、とても嬉しいことでした。

これからはお手紙の交換や、ブログのコメントへのご協力など私から色々とお願いをさせていただきました。

そして、早速、先日斎藤典彦展にもお出かけくださったご感想をコメントでお寄せくださいました。




会期が終わってからも、毎日どなかかが薫の作品をご覧になりにお出かけくださっています。評判が評判を呼んでということもあるようです。

11月もあっという間に半ばを迎え、薫作品の全作品の展示は残すところあと2~3週間となりました。

日月祝日もお予約をいただけましたら、出来るだけ店に出て参りますので
よろしければこの機会をご利用ください。









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11月9日㈯ 

2024年11月09日 | 山口薫展
ブログに指を怪我したと書くと、すぐに家族からラインがあり、そうだった!
妹や義娘も読んでくれていたのだと今更気づくという。。怪我には慣れているし、傷みも一日で引いてくれたので、結局大したことはないのに、独りで暮らしていると「いたーい」「指切ったぁ~」と訴える相手がいないので、ついどこかで気を晴らしたくなるのだと反省をしました。

が、きっとまた何かあると小さな傷でも誰かに訴えるのだろうなぁと思います。きっと情けないなぁと思いながらブログにも書くのです。すみません、お許しください。


さて、おかげさまで指がかなり復活したしましたので、今日は山口薫展の会期中に、みなさまの人気を集めた作品を順にご紹介したいと思います。

トップはなんといってもエントランスに飾らせていただいた「親馬と仔馬」です。↑上の画像。


15号という大きさが圧倒的なのか?一度ギャラリーに入られてからも、自動ドアの開閉が間に合わないほど、みなさん何度もこの作品をご覧になりにエントランスに戻られました。

以下の油彩作品をご覧くださるとおわかりになると思いますが、「白」をどの部分に多くつかっているか?で皆様のお好みがわかれるような気がしています。いかがでしょうか。




2位は難しいのです。

いろいろな意味で一位といっても良いかなと思えるのがまず「娘と牛」です。

どなたもがお認めになる最高峰の作品、美術館でしか見られない作品と多くの方が圧倒されていらした作品です。ただ、コレクションとして選ぶとしたら?は1位だけれど、共に暮らすには少し肩の荷が重い。。緊張しそう、怖いというご意見も聞かせていただきました。そして、最後に「まぁ、買えないけれど。。」と必ず付け加えてくださいました。






素描のクマの後ろ姿は、みなさまの欲しい!の第一位だと思います。
それなのに?そのあたりのことはご来店くださったみなさまやお問合せくださったみなさまがご存知のとおりです。

けれど、鉛筆素描で、この手数で、ここまでムードのあるクロちゃんを描いた作品はなかなか無いと思えます。



3位はですね。一挙に候補が増えます。










この辺りだと思います。

共に暮らすという佐橋美術店的な趣味も含め、やはりこの辺りをご購入の候補に挙げられるお客様がおおくいらっしゃいます。

結局全部いいのじゃないですか?とお叱りを受けそうですが、プロの画家さんやその卵さん、美術館まわりのご趣味の方達のお気に入りをお聞きした結果を踏まえると、以上のような順位づけになりそうです。


そして、展示を始めてさせていただいてから一か月後の現在。
ブログに記事を書かせていただく作品順のこともあり、微妙に私の好みもでてじわじわと人気のトップに上がってきているのが、










こちらの作品達です。
薫がよく描く題材でなく、つまり薫らしくなく、けれど「薫しか描けないでしょ?」の作品たちです。

さてさて、この数週間でみなさまのお好みは少しづつ変わっていらしたでしょうか。よろしければ、コメントなどでご意見をお寄せください。

決断よくお約束いただいたみなさまも、お決めくださった当初は皆様更に迷われていた気がいたします。そうです、光栄にもこんな展覧会、わたしもみなさまも初めてですものね。

まずあらためまして、弥栄画廊さんの皆様に心から感謝したいと思っています。

そして、ぜひ何度でも、みなさまにこの展示をご覧になりにいらしていただきたいと思います。



一昨日立冬を迎え、秋らしい日々の記憶もなく、突然暦通りにお寒くなりました。どうぞ、みなさまお障りなく、お怪我などにご注意くださってお過ごしくださいませ。

来週からは、メールやお便りでお寄せいただきました山口薫展のみなさまのご感想などをご紹介したいと思っています。




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