第13日 2011年3月8日(火)
=66番雲辺寺~69番観音寺=
5時45分起床、6時半前から男性4人と、昨夜は夕食無しだった東京の女性とで朝食
をして、おにぎりのお接待をいただく。
兵庫県明石市の人は、葉書大の用紙に黒ペンで般若心経を書いて、納経されている
とのこと。拝見すると小さい文字だが達筆で、よくこのように書けるものと感心する。
4人中一番若い男性と、車で回っているが雲辺寺へは歩いて上るという東京の女性が
先発した。
残り3人も出ようと外に出たら、思いがけず雪になっていた。ポンチョとザックカバーを
して、一緒に7時12分に民宿岡田を出る。
「また来なさいよー」と、親父さんの声。親父さんには、角を曲がって見えなくなるまで、
手を振って見送っていただいた。
徳島自動車道の下を抜けて、山にかかる遍路道の斜面に入ると、雪がうっすらと積も
っている。
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各々マイペースで上がり、次第に離れ、私はいつの間にか先になった。
稜線上の車道も一面の雪。車のわだちは滑りそうなので、新雪の上を歩く。先発の2人
の踏み跡が、はっきりと残っている。
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一時かなりガスが濃くなり、視界の利かないところもあった。
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休まずに上がり、岡田から2時間ちょうどで、66番雲辺寺(うんぺんじ)に着いた。標高
910m、四国八十八か所中、最高地の霊場である。
境内も2㎝くらいの積雪、本堂はコンクリート造りに改築され、以前より趣(おもむき)に
乏しい。納経所の女性の話では、一昨日はぼた雪だったが、昨夜は粉雪になったという。
間もなく後続の2人も着いた。
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うっすらと雪を乗せた五百羅漢の横を通過して、徳島・香川県境の稜線に出る。二つの
アンテナ塔の間から、香川県側への下山路へ。
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北面なので雪が多い感じ。滑らぬようストックを十分に使い、前回回った別格16番への
道を左に分ける。この下り道には、ところどころに木のベンチが置かれている。
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やがて雪は消えて傾斜も緩んできた。林間の切れ目から、観音寺の町並みが望まれる。
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酸性雨のためだろうか、立ち枯れの松が並ぶ一角があった。
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日帰りハイキング姿の女性と行き交い、雲辺寺から4㎞余り下って県道240号に出た。
民宿青空屋の横を通過し、少しずつ下る。県道沿いには丁石のお地蔵さんが数多く残
され、花を供えたりして、地元の方々の厚い信仰の様子が伺える。
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岩鍋池まで下ると、観音寺の町の背後の山並みが望まれる。右に迂回して下り、東側
山門から67番大興寺(だいこうじ)に入るところで、民宿岡田を先発の、Mさんと会う。
山門を入った先に、樹高20m、樹齢1200年余りというカヤの大木と、香川の保存樹
になっているクスノキの古木が立っている。
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参拝後、納経所で、「因幡の白うさぎ」という和菓子のお接待をいただく。境内のベンチ
で岡田お接待のおにぎりと、スティックパンの昼食をした。
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寺を出て少し下ると、右手に明日向かう73番出釈迦寺の奥の院のある、我拝師山
(481.2m)の独特の山容が見え、正面には観音寺市街背後の山が望まれる。
すっかり晴天となったが、北風がやや強まる。菅笠があおられるのでうつむき加減となり、
県道6号の周辺を見る余裕がない。潅漑用の仁池は、かなり波立っている。
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反対側の心光院には、道しるべの丁石仏が並んでいた。
県道24号と合した池之尻交差点の先は、少しだけ県道の東に平行する旧道を進む。高
松自動車道の近くにあった、手打ちうどん大多喜に入り、わかめうどんを注文して食べる。
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簡易な笠屋根の「お遍路さんの休憩所」を過ぎ、国道11号との交差点際のスーパー・マ
ルヨシセンターに入って飲物を購入した。JR予讃線を越えて観音寺市街に入り、3度目の
若松屋別館へ。
ザックを預けて財田川を渡り、同じ境内の68番神恵院(じんねいん)と69番観音寺(かん
おんじ)に参拝する。中ほどにご神木のクスノキの巨木がある。
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観音寺本堂と大師堂の間から、松の多い琴弾(ことびき)公園に上がり、海岸の砂に描
かれた、寛永通宝の巨大な銭形(ぜにがた)を見下ろす。
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東西122m、南北90mあり、寛永10年(1633)、丸亀藩主が巡視の際に、歓迎のため
に地元古老達が一夜で作り上げたとか。以来、砂上の芸術として長く継承されているという。
展望台の先で左手を上がり、初めての琴弾八幡宮にも参拝した。前2回とも入口に気づか
ず、先に進んで車道を下ってしまったのだった。境内からは、観音寺の町並みが一望できる。
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八幡橋を戻り、16時55分に若松屋別館に入る。部屋は3階最奥の307号室で、トイレと
洗面所付き。すぐに入浴して、出た後、洗濯機も借りる。
夕食は18時過ぎから。冬山にも登られ多彩な活動をされている、おかみさん手作りの献立
を、美味しくいただく。宿泊者は、お遍路でない若い男性と私だけだった。
【コースタイム】民宿岡田7・12ー稜線上の車道8・25ー66番雲辺寺9・12~35ー頂上線分岐
9・49ー3・2㎞点10・40ー民宿青空屋11・21ー新池11・58ー67番大興寺(昼食)12・30~
13・15ー豊田小横交差点13・53ー手打うどん大多喜14・15~37ーマルヨシセンター14・53~
15・01ー若松屋別館15・42~46ー68番神恵院・69番観音寺15・55~16・23ー琴弾公園展望
台16・24~39ー琴弾八幡宮16・40~46ー若松屋別館16・55
(天気 雪後晴、距離 25㎞、歩行地 徳島県三好市、香川県観音寺市、歩数 43,400、
遍路地図 72ー1、72ー2)
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=66番雲辺寺~69番観音寺=
5時45分起床、6時半前から男性4人と、昨夜は夕食無しだった東京の女性とで朝食
をして、おにぎりのお接待をいただく。
兵庫県明石市の人は、葉書大の用紙に黒ペンで般若心経を書いて、納経されている
とのこと。拝見すると小さい文字だが達筆で、よくこのように書けるものと感心する。
4人中一番若い男性と、車で回っているが雲辺寺へは歩いて上るという東京の女性が
先発した。
残り3人も出ようと外に出たら、思いがけず雪になっていた。ポンチョとザックカバーを
して、一緒に7時12分に民宿岡田を出る。
「また来なさいよー」と、親父さんの声。親父さんには、角を曲がって見えなくなるまで、
手を振って見送っていただいた。
徳島自動車道の下を抜けて、山にかかる遍路道の斜面に入ると、雪がうっすらと積も
っている。
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各々マイペースで上がり、次第に離れ、私はいつの間にか先になった。
稜線上の車道も一面の雪。車のわだちは滑りそうなので、新雪の上を歩く。先発の2人
の踏み跡が、はっきりと残っている。
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一時かなりガスが濃くなり、視界の利かないところもあった。
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休まずに上がり、岡田から2時間ちょうどで、66番雲辺寺(うんぺんじ)に着いた。標高
910m、四国八十八か所中、最高地の霊場である。
境内も2㎝くらいの積雪、本堂はコンクリート造りに改築され、以前より趣(おもむき)に
乏しい。納経所の女性の話では、一昨日はぼた雪だったが、昨夜は粉雪になったという。
間もなく後続の2人も着いた。
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うっすらと雪を乗せた五百羅漢の横を通過して、徳島・香川県境の稜線に出る。二つの
アンテナ塔の間から、香川県側への下山路へ。
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北面なので雪が多い感じ。滑らぬようストックを十分に使い、前回回った別格16番への
道を左に分ける。この下り道には、ところどころに木のベンチが置かれている。
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やがて雪は消えて傾斜も緩んできた。林間の切れ目から、観音寺の町並みが望まれる。
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酸性雨のためだろうか、立ち枯れの松が並ぶ一角があった。
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日帰りハイキング姿の女性と行き交い、雲辺寺から4㎞余り下って県道240号に出た。
民宿青空屋の横を通過し、少しずつ下る。県道沿いには丁石のお地蔵さんが数多く残
され、花を供えたりして、地元の方々の厚い信仰の様子が伺える。
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岩鍋池まで下ると、観音寺の町の背後の山並みが望まれる。右に迂回して下り、東側
山門から67番大興寺(だいこうじ)に入るところで、民宿岡田を先発の、Mさんと会う。
山門を入った先に、樹高20m、樹齢1200年余りというカヤの大木と、香川の保存樹
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参拝後、納経所で、「因幡の白うさぎ」という和菓子のお接待をいただく。境内のベンチ
で岡田お接待のおにぎりと、スティックパンの昼食をした。
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寺を出て少し下ると、右手に明日向かう73番出釈迦寺の奥の院のある、我拝師山
(481.2m)の独特の山容が見え、正面には観音寺市街背後の山が望まれる。
すっかり晴天となったが、北風がやや強まる。菅笠があおられるのでうつむき加減となり、
県道6号の周辺を見る余裕がない。潅漑用の仁池は、かなり波立っている。
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反対側の心光院には、道しるべの丁石仏が並んでいた。
県道24号と合した池之尻交差点の先は、少しだけ県道の東に平行する旧道を進む。高
松自動車道の近くにあった、手打ちうどん大多喜に入り、わかめうどんを注文して食べる。
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簡易な笠屋根の「お遍路さんの休憩所」を過ぎ、国道11号との交差点際のスーパー・マ
ルヨシセンターに入って飲物を購入した。JR予讃線を越えて観音寺市街に入り、3度目の
若松屋別館へ。
ザックを預けて財田川を渡り、同じ境内の68番神恵院(じんねいん)と69番観音寺(かん
おんじ)に参拝する。中ほどにご神木のクスノキの巨木がある。
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観音寺本堂と大師堂の間から、松の多い琴弾(ことびき)公園に上がり、海岸の砂に描
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に地元古老達が一夜で作り上げたとか。以来、砂上の芸術として長く継承されているという。
展望台の先で左手を上がり、初めての琴弾八幡宮にも参拝した。前2回とも入口に気づか
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八幡橋を戻り、16時55分に若松屋別館に入る。部屋は3階最奥の307号室で、トイレと
洗面所付き。すぐに入浴して、出た後、洗濯機も借りる。
夕食は18時過ぎから。冬山にも登られ多彩な活動をされている、おかみさん手作りの献立
を、美味しくいただく。宿泊者は、お遍路でない若い男性と私だけだった。
【コースタイム】民宿岡田7・12ー稜線上の車道8・25ー66番雲辺寺9・12~35ー頂上線分岐
9・49ー3・2㎞点10・40ー民宿青空屋11・21ー新池11・58ー67番大興寺(昼食)12・30~
13・15ー豊田小横交差点13・53ー手打うどん大多喜14・15~37ーマルヨシセンター14・53~
15・01ー若松屋別館15・42~46ー68番神恵院・69番観音寺15・55~16・23ー琴弾公園展望
台16・24~39ー琴弾八幡宮16・40~46ー若松屋別館16・55
(天気 雪後晴、距離 25㎞、歩行地 徳島県三好市、香川県観音寺市、歩数 43,400、
遍路地図 72ー1、72ー2)
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