最近大手外資系ソフトウェア会社からベンチャー企業に転職した方に勧められて読んだ本です。
本田氏のまっすぐでチャレンジングな信念がストレートに身近なものとして迫って来ました。
(p66より引用) 私は・・・自分と同じ性格の人間とは組まないという信念を持っていた。自分と同じなら二人は必要ない。自分一人でじゅうぶんだ。目的は一つでも、そこへたどりつく方法としては人それぞれの個性、異なった持ち味をいかしていくのがいい、だから自分と同じ性格の者とでなくいろいろな性格、能力の人といっしょにやっていきたいという考えを一貫して持っている。・・・これに関連して、つねづね私の感じていることは、性格の違った人とお付き合いできないようでは社会人としても値打ちが少ない人間ではないかということである。
(p255より引用) 半端なもの同士でも、お互いに認め合い、補い合って仲良くやっていけば、仕事はやっていけるものだ。世の中に完全な人間などいるものではない。自分の足りないもの、できないところを、まわりの人に助けてもらうと同時に、自分の得意なところは惜しみなく使ってもらうのが、共同組織のよい点で大切なところだと思う。「人間の和」がなければ企業という集団の発展はおろか、維持さえもできないということを十分認識してほしい。(1973年)
本田宗一郎氏は、藤澤武夫氏と二人三脚で歩んで来られました。上記の言葉は、本田氏の技術者としてのプライドがベースにありますが、他者の個性・自分にない能力を謙虚に認めるオープンマインドが十分に表れています。
それぞれの優れた個性が同じ方向を目指して共振して大きなうねりになっていったのです。
本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) | |
本田 宗一郎 | |
日本経済新聞社 |