OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

WHATとHOW

2005-07-08 23:33:14 | ブログ
(夢を力に(本田宗一郎)p236より引用)我われが行動する場合には、気づくことが先決条件である。技術があれば何でも解決できるわけではない。技術以前に気づくということが必要になる。日本にはいくらでも技術屋はいるが、なかなか解決できない。気づかないからだ。もし気づけば、ではこれの半分の時間でやるにはどうすればいいかということになる。そういう課題がでたときに技術屋がいる。気づくまではシロウトでもいい。そういういちばん初歩のところを、みんな置き忘れているのではないかという気がしてならない。(1959年)


 この点は、まさに最近よく言われている「WhatとHow」の話しです。この場合、「気づく」ことの目的語が「What」になるのです。本田氏は、「Whatに気づく」重要性について、すでに1959年に語っています。

 最近の著述でいえば、たとえば、慶應大学大学院政策・メディア研究科教授高橋俊介氏の記事に分かりやすく解説されています。

「What」と「How」を従来の経営ではプラン「Plan」と呼んでいたが、実は「What」と「How」を別々に考えることが重要である。いわゆる事業の目的や仕事の意味にあたる。「What」 を構築する能力と、その「What」を「How」に分解する能力は極めて異なる。これが理解できないとソリューション事業はうまくいかない。それだけではなく、今後の知の時代、全ての組織で、根幹に関わる問題である。

ピラミッド組織は受注生産組織には向いていた。またモノを売る場合はうまくいっていた。この組織では、ごく一握りのエリート社員や1人のオーナー社長が「What 」を作り、多くのエリート中間管理職がそれをうけて「How」に分解する。そして多くの平社員が「Do」を行う。「Check」はそれ専門の部署で行う。「What」や 「How」や 「Do」や 「Check」を組織階層により分担して行う。分担度合いが高ければ高いほどピラミッド組織が見事に出来上がっていた。


 現代のあらゆる業種業態の市場においては価格競争の限界が語られ、その市場のプレーヤ(参入企業)は、差異化戦略への転換・対応が求められています。すなわち「どうやるのか」ではなく「何をやるのか」が差異化のポイントになっているのです。
 みんな「何をすればいいのか」に迷い悩んでいます。「上司だからといって必ずしも『何を』を見つける能力が高いとはいえない」ということです。

「お前の客にソリューションを提供するんだ。」「レベルの高い提案書を顧客に持っていって、お客様と戦略的なパート ナーを構築できるような関係を構築するのだ。」 「私の担当しているA社には何を提案すれば良いのですか?」「俺にも解らない。だって顧客の所へ行ったことが無いんだから。」この何をするのか 「What」を上司に相談しても答えが返ってこない。


 むしろ顧客に近い第一線の社員の方が、マーケットのニーズに直接接している分「何が求められているのか」に気づくチャンスは圧倒的に多いのです。

 「何をやるのか」を示すことのできないリーダーはその存在意味はなくなります。


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