OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

わが友 本田宗一郎 (井深 大)

2005-07-10 23:10:10 | 本と雑誌

(p24より引用) 私も本田さんも、この技術があるから、それを生かして何かしようなどということは、まずしませんでした。最初にあるのは、こういうものをこしらえたい、という目的、目標なのです。・・・この目標があって、さあ、それを実現するためにどうしたらいいか、ということになります。・・・すでにある技術や手法にはこだわらず、とにかく目標に合ったものを探してゆく-そんなやり方を、私も本田さんもしていました。・・・“素人”がこうして、ひとつひとつ苦労して自分自身の手でつくり上げていくからこそ、人真似でないものができるし、人が真似できないものがつくれるのです。

 SONYの井深氏とHONDAの本田氏は、それぞれの会社が今のような大企業になる前からの知り合いだったようです。
 性格は正反対といってもいいほど対照的ですが、コアの部分で強く共感しあっていたのです。

 引用の中で二人に共通するのが、「まず目標ありき」という姿勢です。このブログの最近のテーマである「What」です。「What」があって「How」はその後です。決して「How」から考えない、その姿勢が独創性の源です。

 そういう創業者の基本姿勢がそれぞれの企業のDNAとしてかろうじて残っているのでしょう・・・。

 NONDAはかつてのCVCCエンジンのような並外れたépoch-màkingな開発はないものの、未だにHONDAらしさが感じられる車を作り続けています。(この点、異論があるかもしれませんが・・・)

 SONYはといえば、最近Network Walkmanが好調のようですが、果たしてこれが独創的といえるかどうか?デザインはそれなりのSONYらしさは見せていますが、iPodの二番煎じとの声がもっぱらです。
 しかしご存知の方がどのくらいいるか分かりませんが、SONYはもう何年も前からNetwork Walkmanを販売しています。ただ当初のものは独自仕様が多く、また、ちょうど携帯型MDプレーヤが出始めて、使い易さから多くの顧客はそちらに流れてしまったのです。(ちなみに、私は、初期のNetwork WalkmanとiPod shuffleを併用しています)

 私は今でも、SONYにも井深氏のDNAは息づいていると思っています。


わが友 本田宗一郎
井深 大
ごま書房新社

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする