(p302より引用) 現代は、人間の知的発展における進歩を、誇りとしています。・・・知性は、いうまでもなく強力な筋肉はもってはいますが、人格をもってはおりません。それは指導することはできず、奉仕することができるだけなのです。また知性は、指導者を選択するに当たって、けっしてより好みはしません。・・・知性は、鋭い鑑識眼をもってはいますが、目的や価値にかんしては盲目です。
偉大な科学者は、自らの反省も込めているのでしょうか、自虐的です。「知性は人格をもっていない」ということは、知性には「良心がない」ということになってしまいます。果たしてそうでしょうか。知性(科学)の危うさです。
知性は「人間」に宿るのですから、科学「者」には、科学の罪について、責任の一端はあるはずです。
もちろん、強制や脅迫で自由意思が抑制されていたのであれば、残念ながら心神喪失・心神耗弱状態に等しいと言わざるを得ないのでしょう。