本書は、「実行力」を高めるため、すぐに取りかかれる具体的な方法を紹介したTips集です。
著者によると、本書の内容は、「行動科学マネジメント」というビジネスメソッドに基づいているとのことですが、その説明において堅苦しい学術論は登場しません。
むしろ、本書で示された著者の、一貫して「精神論」を排除した考え方が、この手法の活用のし易さを高めているように思います。
本書は、「行動」という切り口ですべての論旨が統一されています。
その「行動」の駆動力として「インセンティブ」と「モニタリング」を活用しているという点では、全く新たな方法論の提示というよりは、立論のベクトルはむしろ王道に沿ったものだと言えます。
さて、本書を通読して、1・2、私としても改めて再認識させられた指摘がありました。
まずは、「言葉で表わすこと(言語化)の大事さ」について。
(p122より引用) 行動科学マネジメントでは、実行できない理由を次のように定義しています。
①やり方がわからない
②やり方は知っているが、続け方がわからない
実行力を持続/継続させるためには、自らの行動が明確でなくてはなりません。明確かどうかは、第三者にも正確に伝えられるかどうかです。
(p125より引用) 自分で決めた目標を、いざ実行しようとするとき、効果的なのが「言語化」です。
ここでいう言語化とは、やるべき行動を第三者にもわかる言葉で具体的に表現することです。
もうひとつ、「チェックリストの使い方」について。
チェックリストは、望ましい行動がとれているか、それが習慣化しているかを確認するためには極めて有効なツールです。
(p136より引用) チェックリストを利用する上でもうひとつ注意点があります。
それは「できていないところを見つけて反省するツールではない」ということです。・・・
「チェックの数がまた増えた」「この項目はもう完全に身についた」という具合に、常にプラス評価することを考えます。これがチェックリストの正しい使い方です。
チェックリストのいいところは、小さな成果を積み重ねて達成感を得られることです。
チェックリストは、「自分を肯定して日々の成長を確認するツール」だという指摘です。
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すごい「実行力」 価格:¥ 560(税込) 発売日:2007-06-20 |