もう少し、この本で紹介されているマーケティングの話を続けます。
ここ数年来、流行のCRMのリアルな現実です。
(p 91より引用) 企業や商店が顧客を失うlosing customers最大の理由は商品や価格などではなく、従業員の無礼な態度insult、無関心な態度disinterestなのです。ある分析によると、企業や店が客を失う理由のうち、商品への不満complaintはわずか15%、しかし従業員の対応への不満は70%だそうですね。そして重要なことは顧客は対応に失望した時、ほとんどの場合、真実the truth(の理由)を告げずに来なくなるということです。
これは実感としてもそう思いますね。
製品の「機能」「価格」が、売れるか売れないかを決める重要な要素であるのは言うまでもありません。が、最終的な「品質」は「人」に帰着します。
(p 93より引用) プロダクトの品質を決めるものはテクノロジーtechnology(技術)です。そして、サービスの品質を決定づけるものは1人ひとりのスキルskillとハートheart(人)なのです。
「品質=人」だとすると、「マニュアル」で繕うことはできません。
定型的なCRMの決め事は、どこかでほつれができてしまいます。最終的には、生身の「人」の勝負になります
(p 95より引用) CRMとは客先との関係性relationshipを重視する考え方ですが、廊下ですれちがっても社員が挨拶もしない会社のCRMなど誰も信用するはずがありません。隅々まで手を抜くな、見えないからといってごまかすな。顧客感動とはすきのない真心交換の真剣勝負なのです。そして「神は細部(ディテール)に宿る」「真実は末端にあり」なのです。
サービス、つまりコトのビジネスの神髄がそこにあります。
お客様が満足されるか、不満に思うかは、現場の応対の瞬間に決まります。
その瞬間は、現場の担当者がすべての責任を担っているのです。
(p 102より引用) エンパワーメントとは、自分の判断one’s own decisionで「真実(真心、気配り)の瞬間」を演出し、真心交換の真剣勝負に打って出る、そういう即断と実践の現場力のことだと言ってもいいでしょう。
応対の瞬間には、「自分で判断」するしかありません。いちいち上司に伺いをたてることはできません。
だとすると、ひとりひとりの担当者が拠って立つ「判断の『基準』」が極めて重要になります。
(p 104より引用) ノードストロームの就業規則company rulesはたった1つだそうです。
「どんな状況においても、自分自身の良識に従って判断しなさい。それ以外のルールはありません」
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