競争優位という考え方は「相対価値」に拠ったものです。
(p45より引用) 人間はとかく相対価値の追求に走りがちです。生涯、夢を追い続けた本田宗一郎でさえそうでした。これに対し、現場のエンジニアたちは絶対価値を追求しようとし、それが世界に先んじた低公害エンジンの開発に結実しました。
「競争に勝つ」という相対価値の追求は、勝った時点で消える可能性があります。これに対し、絶対価値の追求の根底にあるのは「自分たちは何のために存在するのか」という根本的な問いかけであり、それは普遍性を持って未来へとつながっていきます。自分たちのめざす絶対価値は何なのか、もう一度、われわれは問い直すべきでしょう。
「相対価値」の追求は、相手があり相手に勝つことが目標になります。
「絶対価値」は、相手を必要としません。もちろん相手があってもいいのですが、「絶対価値」に重きをおくと、「相手に勝っても満足しない」「相手に負けても納得する」という自分を基準にして価値判断を下すことになります。
「絶対価値」のハードルが低ければ、甘えになります。「絶対価値」を決めるのが自分自身である場合は、自分自身の真剣さが問われるのです。
(p118より引用) 市場がある以上、相対価値も必要です。しかし、それを超える絶対価値の追求がなければ、高い目標に向けた強いモチベーションは生まれません。
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