タイトルどおりの究極のHow To本です。
ケース・インタビューの練習用に数多くの例題が掲げられていて参考になるのですが、そのケースの解答例は、(まさにこの本が示している方法論に従っているのですが、)あまりにもパターン化されすぎているように感じました。
また、検討されている対応策に関しても、現状を踏まえての掘り下げ方が不十分で、いかにも「戦略コンサルティングファームの公式解答」と言わざるを得ません。
特に、コスト削減のために「解雇」するとか、マーケットシェアを拡大するために「企業買収」するとか、他社のノウハウを得るために「トップハンティング」するとか、売上増を図るために「大々的なキャンペーン」をうつとか・・・こういう類の対応策は、「いかにも」という感じで、実業の観点から、地に足のついた打ち手だといった納得感はまったく得られませんでした。
そもそも本書の目的が、米国系の戦略コンサルティングファームの「面接」対策にあるので、こういったステレオタイプのHow Toものになっているのも止むを得ないとは思います。
その点では、すこぶる「合目的」的な本です。
How Toという点で割り切ると、「マーケット・サイジング問題」への対処方法
(p36より引用) マーケット・サイジング問題は、大きく以下の4つに分類される。
(1) 人口(国や一定地域)ベースの問題
(2) 世帯ベースの問題
(3) 個人ベースの問題
(4) 「いったい誰がこんな問題を考えたんだ」という奇想天外タイプの問題
・・・マーケット・サイジング問題では、明確なロジックと仮説にもとづいて回答することが最も大切である。
は、当たり前とはいえ、頭の整理になりました。
また、p106以降の「フレームワーク」の超基礎的な説明は、ロジカル・シンキング系の本であればどれにも載っている内容ではありますが、非常にコンパクトにまとまってりて分かりやすいものでした。
ただ、本書を鵜呑みにした「フレームワーク崇拝のステレオタイプ思考の達人」ばかりが増えてくるとどうでしょう・・・。
プログラム化されたフローチャートをたどっているようで、取り組んでいる日々の仕事にワクワク感がなくなりますよね。
個人的には勘弁して欲しい気がします。
戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策 価格:¥ 2,100(税込) 発売日:2008-09-20 |
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