いつも行っている図書館の新着書の棚で目に止まった本です。
ともかくタイトルが直截的でインパクト十分ですね。
もちろん、どこまで事実なのか、科学ジャーナリスト渡辺雄二さんの取材内容をすべて疑うことなくして信じるというのも正しい姿勢ではないと思いますが、まずは、今後の検証を要するという前提で、気になったところをいくつか書き留めておきましょう。
まずは、“添加物の定義” です。
(p152より引用)「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品 に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」(食品衛生法第4条)
すなわち、
(p152より引用) 添加物は、食品ではありません。食品は、炭水化物やたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を含んでいて、私たちの体を育むものです。
一方、添加物は食品を製造したり、保存するために使われるもので、業者にとって都合のよいものですが、消費者にはほとんどメリットはないのです。
と渡辺さんは総括しています。
そして、添加物使用にあたってのバイブルである食品衛生法が食品行政の要であり、厚生労働省を中心とした当該法律の改正・運用/解釈により、私たちの “食の健康” 如何が左右されるというわけです。
本書で渡辺さんが「特に避けるべき添加物」として列挙しているものを覚えに記しておきます。
- 発色剤(亜硝酸Na(ナトリウム)):ハム・ソーセージ → 大腸がん
- 合成甘味料(アスパルテーム・スクラロース・アセスルファムK(カリウム):合成甘味料入り飲料(ジュース・缶コーヒー・ノンアルコールビール等の低カロリー・ゼロカロリー製品) → 認知症・脳卒中
- 合成甘味料(サッカリンNa(ナトリウム)):寿司(ショウガの甘酢漬け)・歯磨き剤・ヨードうがい薬 → 発がん性
- 合成着色料(タール色素(特に赤2)):紅ショウガ・福神漬け・菓子パン・チョコレート → 発がん性・アレルギー
- 防カビ剤(OPP・OPP-Na・TBZ):輸入かんきつ類 → 発がん性
- 合成保存料(安息香酸Na):栄養ドリンク・清涼飲料 → 発がん性物質に変化
- 酸化防止剤・漂白剤(亜硫酸塩):(輸入)ワイン・ドライフルーツ → 頭痛・発がん性(肝臓)
- カラメル色素:飲み物・菓子類等、多くの食品 → 発がん性
- 改良剤(臭素酸カリウム):パン類(特に山崎製パン) → 発がん性
- 殺菌料(次亜塩素酸ナトリウム):魚介類・野菜の殺菌、居酒屋の天ぷら(キス等) → 急性毒性
渡辺さんが「危険」と説く根拠には、日本や諸外国にて実際の健康被害が発生し、その症状と添加物との因果関係が認められたものもあれば、かなり特殊な条件下の動物実験にて異常が見られた(だけ?)といったものもあります。
その意味では、危険度の判断が分かれることもあり得ます。ただ、これらの添加物が日本で使用され続けている経緯や背景を踏まえると、渡辺さんの指摘どおり、決して “消費者優先” “健康優先” との基準で使用が認められているとは考え難いですね。
食を扱う企業の経営姿勢や問題意識も様々ですし、通常流通している食品の中で “まったく添加物を使用していないもの” を見つけるのも容易ではありません。また、情報開示(表示)の方法が不十分で抜け穴があちこちにあるという点も否定できません。
そういった環境の中では、要は、数ある自己の価値基準において「健康」という価値の重みをどう位置づけるかを明確にし、そのウェイトを踏まえ、入手しうる情報をもって “自分の判断で食品を選択することが重要だ” ということでしょう。
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