OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

ブルー・オーシャン戦略 (W.チャン・キム他)

2006-05-29 01:30:28 | 本と雑誌

Ocean_1_2  ブルー・オーシャン戦略が、従前からの各種マーケティング戦略のスキームと同じものなのか、それとも新しいコンセプトなのかはともかく、考え方のベクトルが、「マーケットセグメンテーションの精緻化」による既存マーケットの細分化ではなく、新たなバリューイノベーションによる新規マーケットの創造・拡大に向いていることは、主張の立ち位置として評価すべきだと思います。

(p135より引用) CEOは・・・、価値やイノベーションを、事業ポートフォリオを管理するための重要なパラメーターと位置づけるべきである。なぜイノベーションを重視すべきかといえば、それが実現できなければ、競合他社との比較でしか上をめざさないという罠に陥ってしまうからだ。(この点は、野中郁次郎氏も著書「イノベーションの本質」で指摘しています)価値という尺度も見落としてはならない。革新的なアイデアであっても、顧客に「対価を支払ってもよい」と思わせるだけの価値がなければ、利益に結びつかないのだから。

 ブルー・オーシャン戦略では、「戦略キャンバス」という分析ツール(フレームワーク)を利用します。
 これは、横軸に「競争要因(価格・品質等)」をとり、縦軸に自社や競合他社等のスコアを取って一覧したチャートです。

 この戦略キャンバスに描かれた「価値曲線」の形を、競合他社のそれと「差異をつける」ことが、ブルー・オーシャン戦略策定の第一歩になります。

(p49より引用) 業界の戦略キャンバスを大胆に塗り替えるためには、手始めとして、同業他社から代替産業へ、顧客から顧客以外へと視点を移すことが求められる。価値を高めながら同時に低コストも追求するためには、既存のフィールドで競合他社と自社を比較して、差別化と低コストのどちらか一つを選ぶという、古びたロジックを捨てなくてはならない。・・・従来のロジックに縛られたままでは、業界各社が共通に認識する課題に対して、他社よりも優れた解決策を見出すだけにとどまる。

 ブルー・オーシャン戦略の各論については、さらにコメントを続けます。
 思いの外、この本は具体的戦術を丁寧に書いています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 古代への情熱 (シュリーマン) | トップ | ブルー・オーシャンへの航路 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事