著者の川島良彰さん、私がいつも聞いているピーター・バラカンさんのPodcastの番組に(かなり以前、)ゲストで来てコーヒーハンターのお話をされたのですが、それは強烈なインパクトがありました。
ということで、手に取ったのが本書です。
川島さんのコーヒー追究の旅の出発点は「エルサルバドル」。18歳のとき、川島さんの旅の門戸を開いてくれた恩人が、当時の駐日エルサルバドル大使ワルテール・ベネケ氏でした。
(p44より引用)また、発展途上国の厳しい環境の中では、いくら勉強ができても生きていく能力がなければ死んでしまう。発展途上国で生きていくためには、どんな状況下でも生き抜く智恵や経験、そして体力や判断力が必要だと教えられた。
その教えこそ、その後の私の人生の礎となる「Street smart(ストリート・スマート)」という考え方だった。
「ストリート・スマート」は、「どんなときでも何とかなる」、「どんな状況でも何とかする」、「常に楽しくおもしろく生きる」という生きるための心構えであり、生き抜くために覚えておくべき究極のポジティブ思考だった。
川島さんの生きていく上での信条となったベネケ大使からの大切な教えです。
そして、もう一人の恩人は、上島珈琲上島忠雄会長(当時)でしょう。
忠雄会長との出会いは“奇跡的な瞬間”でした。そして、コーヒーに惚れ込んだ「創業者スピリット」溢れる上島会長の圧倒的な行動力・決断力に支えられ鼓舞されて、川島さんは想像を絶する困難なミッションにチャレンジしていきました。
そのミッションは、未開の土地での「コーヒー農園の開拓」という“超リアルビジネス”でした。
不安定な国情・初対面の現地の人々に加え、土地・気候・自然災害等々、人知では制御不能な数々の外的障害に直面しつつも、それに屈することなく立ち向かっていった川島さんの波瀾万丈の生き様は見事としか言いようがありません。
「どんな状況でも何とかする」、このStreat smartの教えを活かしたのは、川島さんの“コーヒーにかける強烈な情熱”だったのだと思います。
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