先日、リッツ・カールトン関係の本を読んだのですが、今度はディズニーです。
PROLOGUEにもありますが、リッツ・カールトンは、採用時点で会社方針の理解やサービス業への適正をチェックし徹底的に選抜する、それに対し、ディズニーは「ウェルカム」、基本的には全員採用なのだそうです。そして、この採用者を研修・教育し、自主的に行動するキャストに育て上げていくのです。
ディズニーでの行動の基本思想は「ホスピタリティ・マインド」です。
(p86より引用) 「ホスピタリティ」の語源は「客を保護する」ことですが、私は「自主的・主体的に相手を思いやること」と解釈しています。
ここには、人に対する能動性があります。この「人」を重んじる姿勢は人材育成のミッションとして明確化されています。
(p62より引用) 「組織は人のために存在し、われわれは人のためになる存在でなければならない」
この「人のためになる」という姿勢がディズニーのミッションを支えているのです。
(p51より引用) ディズニーのミッションは「すべてのゲストにハピネスを提供する」ことです。
このディズニーのミッションは、正社員はもちろん、アルバイト一人ひとりにまで浸透しています。
本書で示されているディズニーのミッションや行動指針は別段特に際立った特色があるものではありません。通常のサービス業において当たり前のことという内容です。
要は、そのミッション・行動指針が会社組織の隅々にいたるまで浸透し、実践されているかです。
(p88より引用) ディズニーで、ミッションや行動指針が、アルバイト一人ひとりにまで浸透しているのは、経営陣、また上司・先輩、同僚キャストが、繰り返しその重要性について確認し合う風土があるからです。
さて、タイトルにある「ディズニーの教え方」。この点に関して「なるほど」と思ったものをひとつ、覚えとして書き留めておきます。
ディズニーでは先輩が後輩を育成するのが基本です。先輩は率先垂範、後輩の見本になることはもちろんですが、積極的に注意・アドバイスすることが求められます。そのときのポイントは、後輩に「いつも見ていてくれる」という先輩の気遣いを意識させることです。
(p92より引用) 見るとき注意したいのは、何も監視するわけではないので、陰からこっそり見ず、堂々と見ることです。「見られている」ことに気づかれなければ、見られていないことと同じになるので、“見られるように見る”ことが必要です。
「いつも見ていると意識させる」ことは、人事考課や評価の際の公平感・納得感の醸成のためにも大切なことですし、後輩の立場からみると「自分の存在が認められている」との自覚が促されることにもなります。
こういう先輩・後輩の信頼感がある職場に共通することは何か。ディズニーの場合、それは「笑顔」です。
(p162より引用) よい職場の風土とは、・・・そのベースとなるのは、やはり「笑顔」です。相手に対して、笑顔で明るく挨拶を交わす、笑顔でアイコンタクトをとり、言葉を交わす-これこそ、職場の風土をよくする絶対必要条件です。
自然な「笑顔」は、気持ちにゆとりがなくては出るものではないでしょう。関係し集う人たちが、萎縮しないで伸び伸びと接しあえる場、そういう環境づくりを目指したいものです。
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