リーダーシップに関する話は、ウェルチ氏の得意とするところです。
この本の中でウェルチ氏が語るリーダー像をいくつかご紹介します。
まず、ウェルチ氏は、何でも一番といったスーパーマン的リーダーは否定しています。
(p109より引用) 優れたリーダーとは、自分が一番バカな人間に見えてしまうような優秀な人たちをチームメンバーとして集める勇気を持つ人だ。
この点について言えば、ウェルチ氏の言う「集める勇気」ももちろん大事ですが、「(人材がその人のもとに)集まってくる」ような「求心力」 これには、いろいろな要素があると思いますが)を持つこともそれに劣らず大事だと思います。
また、ウェルチ氏は、リーダーに対して「Energize」を求めます。自分がエネルギー(Energy)に溢れるだけではなく、周りの人にエネルギーを吹き込むことが大事だと言います。
(p74より引用) リーダーになる前は、成功とはあなた自身が成長することだった。
ところが、リーダーになった途端、成功とは他人を成長させることになる。(p97より引用) それまでは、自分のことだけ考えて仕事をしていればよかった。
リーダーになった途端、部下のことを考えるのが仕事になる。
その具体的な姿勢としては、たとえば以下のような姿です。
(p86より引用) 逆境のときにはリーダーはうまくいかない責任をとり、うまくいったときには他人に手柄を回す。
さらに、リーダーが気にとめておくポイントとして、トップ層に対しては、
(p135より引用) スターは、気をつけないとモンスターになる。
と警告を発し、また、ミドル層については、
(p139より引用) ポイントは、ミドル70%は重要だということ。どの会社でも、この層がもっとも中核をなす。
と、この層へのケアの重要性を指摘しています。
ただ、ウェルチ氏のリーダーシップに対する根本的な想いは、この本の最後の章に記された以下の言葉が言い尽くしています。
(p418より引用) 後世の人が私を思い出すとき、あの人は、リーダーシップとは他の人が成長し成功することを手助けすることだ、と理解させようとした人だ、と言ってもらえればいいなと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます