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先週の東京都主催の「東京の木を知るバスツアー」に
参加した感想を綴ります。
民間地の伐採まで始めたという、
東京都には、山への本気の態度を感じました。
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建築士向けのイベントで、士会のCPD単位(学習のポイント)
もつくというもの。主に東京建築士会の方が参加されていました。
朝早くから、伐採現場、木材市場、製材所、施工事例を、
昼食付きで観て回るという盛り沢山。
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建築士にとっては、学び多く
木に触れるチャンスでした。
悔しいかな。東京は一番、制度が手厚いと感じます。
それは、税金もつぎ込めるからなのでしょうか。。。
その土地に住まいをその土地の木で建てる。
そのための努力を怠らない私ですが、、、
多くの地方自治体と接してきて、
実質的に、作り手、ユーザーの痒いところに手が届くのは
東京です。何よりやることが先駆的。
木材のストックの見える化も進んでいます。
「多摩産材情報センター」では、建築士の相談窓口があり
いわゆるプラットフォームですね。
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私がこれまで、必要と感じ、様々なところで意見を述べてきたことが
東京都では、すんなりと実現しています。
行政と民間がタッグを組むのも、うまいですね。
ブランド化も進み、スマートといった方が良いでしょうか。
この見学を参考に、神奈川の木や、熊本の木もうまく回るように
関係者に伝えたいと思います。
これまでも、神奈川の認証制度など、
熊本の行政やお仲間には紹介してきました。
でも、まだ熊本独自の認証制度は、ないですね。
今回、東京都の目玉は、
これまで自己負担の費用面で手入れをできていなかった山主に対して、
伐採だけではなく、植林と保育(幼木の手入れ、主に下草刈り)の部分も
補助するという制度。
堂々と、禿山にしていました。
これまで、育っていない山では、伐採する方が赤字の林業で
植林まで行う費用が賄えないのが現状でした。
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補助が出れば、山主も禿山(皆伐)にできるというもの、
らしいです。
50〜60年生と言われながら、小径木。
残念ながら、断面を拝見すると
建材にはできない様子。
質問すると、雪害にもあい、植え直しもあったところは
本当に育っていないようでした。
結局手間暇かけて伐採運搬しても、
チップにしかならない悲しい現状。
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本当に苦労して植えた先達が知ったら、
嘆くでしょうね。。。
木の活かし方が、間違っているよなぁ。。。
毎度、手入れをされていない山での伐採現場では、
悲しくなります。
それでも、現場の林業の方々の、
危険を伴う作業のご苦労を思うと
「チップにするなんて勿体無い」などと、口にはできません。
この課題は全国共通。
これからも、考えて行動し続けなければ。
市場では、認証制度の大変さの裏話も。
価格の例年の低下となど。
こちらも課題が話されました。
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そもそも論ですが、効率優先、経済優先の現代社会で
手間もかかり、時間もかかる非効率的な林業は
足並みが揃うわけがないのです。
生き方や、ものづくりの価値観の転換がなければ
木の価値が上がり、木にエネルギーが注がれることにはならないのです。
林業は、日本人の忘れ物。。。と、
私はいつも思います。
東京都の頑張りを前にして、
ごく一部の国産木材活用に興味のある建築士の
本当に少ないことかと、、、ため息も漏れる
そんなことを感じたツアーでした。
とにかく、山の手入れが始まったことは素晴らしい!
しかしながら、アンケートにも書きました。
針葉樹を植えるだけではなく、
広葉樹の森づくりも考えて欲しいと。
お金になる木なら植える、というだけではなく、
人間が、生き物が、生きて行く環境としての山、
森づくりも、未来のために、今取り組まなくては!
微力ながら、頑張ってまいります。