この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『フライト』、人間ドラマとしてよく出来てるけど、個人的に一番燃えたのは…?

2013-03-02 21:02:55 | 新作映画
 ロバート・ゼメキス監督、デンゼル・ワシントン主演、『フライト』、3/2、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2013年10本目。


 さて、突然ですが問題です。
 次に挙げる映画の共通点は何でしょう?
 『スーパーマン・リターンズ』
 『ノウイング』
 『ナイト&デイ』
 そしてこの『フライト』
 答えはwebで!!

 本作は人間ドラマとして非常によく出来ていると思いました。
 今回ハリウッドが誇る演技マシーン・デンゼルが演じるのは凄腕のパイロットにしてプライヴェートではアル中にしてヤク中の人間のクズ、ウィリアム・ウィテカー。
 ウィテカーは整備不良によって航行不能となった旅客機を神業的な操縦テクニックで不時着させる。それはまさに彼だけが為しうる奇跡だった。
 が、フライト前にコカインを決めたことがバレたら彼は身の破滅である。
 そうならないようにあの手この手で隠蔽工作をするウィテカー。
 果たして彼は英雄のままでいられるのか、それとも終身刑を喰らってしまうのか。
 運命の公聴会が始まる…。

 人は皆、誰だって何かに依存して生きているものですよね。
 何に依存しているかは人それぞれ違うと思いますが(私は何に対しても依存などしていない何に依存しているかは人がいたら、それはただの驕りではないでしょうか)、せめてそれが法に触れないもの、人に迷惑を掛けないものでありたいですよね。
 しかし本作の主人公、ウィテカーが依存するのはアルコールであり、コカインです。彼はそのせいで家庭すらぶち壊してます。最低ですよね。
 自身が最低であることを彼は人に認めることが出来ないんですが、同時に心のどこかでその状態を抜け出したいとも思っている。
 矛盾しています。
 でも誰だってウィテカーと同じ弱さを抱えているのではないでしょうか。
 少なくとも自分は彼の弱さ、そしてその弱さを何とか隠そうとするズルさが自分の中にあることを知っています。
 もちろん認めたくなどないですけどね。
 だから、ウィテカーのズルさを許せないと思うのと同時に、最後まで彼の嘘がバレなければよいとも思いました。
 そんなことはあってよいはずはないのですが。

 さて、冒頭のクイズですが、簡単ですよね。
 答えは「飛行機が墜落する、もしくは落下するシーンがある映画」です。
 自分はどうもそういう映画(のそういうシーン)が好きみたいです。
 本作も航行不能となった機体をウィテカーが不時着させるシーンは観ていてほんとドキドキしましたから。
 フライトパニックものには単なるアクション映画にはない、大惨事を避けうるかどうかという緊張感があっていいですよね。
 本作を観ていて、自分はそういった緊張感が好きなのだな、と気づかされました。
 まぁ実際落下する飛行機には死んでも乗りたくないですけどね。笑。


 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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