この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

何でこうなったんだ?『ロボコップ』。

2014-03-17 21:01:18 | 新作映画
 ジョゼ・パリージャ監督、ジョエル・キナマン主演、『ロボコップ』、3/16、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2014年12本目。


 リブート版『ロボコップ』を観てきました。
 自分はポール・ヴァーホーヴェンが監督したオリジナルの『ロボコップ』に対してそれほど思い入れがないので、リブート版もそれなりに面白く観れるのではないか、と鑑賞前は思ってました。
 が、それは大きな間違いでした。
 リブート版の『ロボコップ』は恐ろしいほどつまらなかったです。
 改めてオリジナル版はよく出来ていたのだなと再認識しました。

 リブート版はオリジナル版のストーリーを踏襲しているわけではないので様々な差異があるのですが、一番大きな違いは、半死半生の目に合い、ロボコップとして生まれ変わったマーフィにマーフィとしての自我があるか否かだと思います。
 オリジナル版のロボコップには最初自我がないんですよね。それが悪党たちとの闘いを経て、少しずつマーフィとしての自我を取り戻していく。物語的に不自然な流れはありません。

 一方リブート版のロボコップには驚くことに目覚めた時点ですでにマーフィとしての自我があります。
 これが今の君の姿だ、そう言ってマーフィは彼を改造したノートン博士に鏡の前に連れて行くんですよ。おいおい、それは残酷すぎるだろ…。どんなまともな人間だって発狂しかねないだろうと思います。

 ノートンはこの後、それが当たり前の行いだとばかりにマーフィを妻の元に連れて行きます。マーフィと妻、どちらにも何の説明をすることもなく。
 基本的にノートンは善人として描かれているのですが、科学者の割には考えがなさ過ぎる、と思いましたよ。

 本作では家族ドラマが大きなウェイトを占めているのですが、マーフィには愛する妻がいる、という以上の情報は観客に与えられないので、二人が苦しんでいるように見えてもまったく感情移入が出来ませんでした。

 家族ドラマ以外の部分も納得出来ないことが多かったです。
 ロボット警官が誕生する背景が複雑すぎて理解できない…。
 自分の理解力に問題があるのかもしれませんが、設定をひねり過ぎていてワケがわからないものになっているように思えました。
 その点もオリジナルはシンプルでよかったと思います。

 マーフィが目覚めたラボは中国にあり、一瞬「え?」と思うのですが、よくよく考えるとこれもおかしいんですよね。
 瀕死のマーフィを中国に搬送して改造したのか、それともアメリカ本国で改造した後に中国に移送したのか。
 瀕死の人間を遠く中国まで搬送するのはありえないと思うし、一方改造手術だけアメリカで施して、術後のアフターケアは中国というのもないと思います。
 単純に中国資本で映画が作られたから、中国でのシーンが必要だった、としか思えないんですよね(実際のところはどうなのかは知りません。そうとしか思えなかったというだけ。)。

 ロボコップはお披露目イベントでいきなり殺人犯を発見するのですが、彼が優秀だったというより、警察主催のイベントにのこのこやってくる殺人犯が間抜けにしか見えませんでした。
 そのシーンに限らず、映画を観ていてもロボコップの優秀さが伝わってくるシーンは皆無でした。

 いろいろ細かいところを論いましたが、本作の一番の問題はそこにはないんですよね。
 本作はアクション映画なんですから、アクションに魅力があれば、ストーリーや基本設定の矛盾などは問題ではなくなるのですが、これがもう致命的に魅力が感じられなくて…。ちなみに本作のロボコップはバイクに乗るのですが、手に汗握るバイクチェイスがあるわけでもなく、バイクはただの移動手段でしかなかったです。

 2014年はまだ始まって3ヶ月も経ってないのですが、本作は2014年のブッチギリのワースト1だと思います。
 っていうか、本作以上につまらない作品を観に行かないように気を付けたいです。


 お気に入り度は☆、お薦め度は☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

 次回鑑賞は未定ですが、『ダラス・バイヤーズクラブ』は時間を作って観に行きたいです。
コメント (4)
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