この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

【切り絵アート展】と【ミュシャ展】に行ってきました。

2018-05-06 22:58:29 | アート、美術館・博物館、ギャラリー
 ゴールデンウィークは二つの展覧会に行ってきました。
 福岡県立美術館で行われていた【切り紙アート展】と福岡アジア美術館で行われていた【ミュシャ展】です。

 

 【切り絵アート展】では「これぞ切り絵!」というようなものから「これが切り絵?」と思えるようなものまで、様々な作品を目にすることが出来ました。
 そもそも切り絵って何なんでしょうね?
 自分は切り絵とは一枚の黒い紙から不要な部分をカッターで切り抜いて白い紙に貼り付け、白と黒のコントラストで様々なものを表現する芸術のことだと思っていました。

 この定義であながち間違ってはいないと思いますが、完全ではないということを【切り紙アート展】に行って知りました。

 白黒作品以外にカラー作品があること自体はまぁいいんですよ。
 カッターで切り込みを入れるのは黒い紙じゃないといけないとまでは思っていないので。
 ただ、明らかに絵具で色をつけた作品まで「切り絵」として扱っていることには少しばかり抵抗を覚えました。
 これが切り絵であるというなら、作品の一部に切り込みを入れた作品はすべて「切り絵」になってしまうような?
 まぁでもそういうことなんでしょうね。

 自分は折り紙を嗜みますが、自分は折り紙のことを「一枚の正方形の紙を折ることによってのみ様々なものを表現しようとする芸術」だと思っています。
 つまり二枚の紙で折ったり、六角形の紙で折ったりする作品は折り紙ではないということになります。
 これは何も二枚の紙で折った作品は一枚の紙で折ったものに比べ芸術として劣ると考えているのではありません。
 あくまで定義の問題で、例えばソフトボールは野球ではないという場合、必ずしもソフトボールは野球よりも劣るスポーツであると言っているわけではないですよね。それと同じです。

 ただ、折り紙を不切正方形一枚折りのみであるという考えはやはり狭量と言ってよく、一般的ではないです。
 切り絵においても同じようなことが言えるのだな、と思いました。

 【ミュシャ展】にいってもそれなりに発見はありました。
 自分は以前からミュシャの作品には線に迷いや揺らぎがないのはなぜだろうと不思議に思っていました。
 その答えの一つがミュシャは作品を制作する際、モデルの写真を撮ってそれを元に絵を描いていたらしいのです(すべての作品がそうだというわけではない)。
 今でこそ写真を元に絵を描くことはごく当たり前のことで誰でもやっていますが、たぶんミュシャの時代にそんなことをやるのはミュシャ一人だったんじゃないかって思いますね。
 柔軟な思考が出来たからこそあれほど多くの作品を残せたのではないでしょうか。

 【ミュシャ展】は5月27日まで、【切り紙アート展】は6月3日まで開催中です。
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