「どうしてここにいるの?!」
同時に叫んでしまって、同時に吹き出した。
「オレは仕事。三時まで時間が空いたから時間つぶし」
時間つぶし。
そーですか・・・時間つぶし・・・。
「とかいって」
ふ、と彼は苦笑いを浮かべ、海に目を移した。
「昨日か今日か明日、東京出張行ってくれって言われて、迷わず今日にしたんだけどね」
「・・・なんで?」
その横顔にドキッとしながら、聞いてみる。
答えは分かっている。
でも、本人の口から聞きたかった。
「今日、この場所にきたかったからさ」
「うん・・・」
頬のあたりが熱くなってきたのが分かる。
同じことを思ってくれていたんだ・・・。
「そっちは?」
「・・・うん。同じ・・・かな」
実は私も、友人から訪問日は何日でもいいと言われて、迷わず今日にしたのだ。
もしかしたら帰りに少しでも立ち寄れるかもしれない、と思ったからだ。
「時間ある? 昼メシ食いにいこっか? ちょっと早いけど」
「うん・・・」
足元がふわふわしている。
こうして2人で歩く日がくるなんて・・・。
そういえば、10年前の今日も、ふわふわしていた。
でも、10年前は手を繋いでいた。
10年後の今日、人一人分の距離を明けて一緒に歩くことになるとは・・・想像もしなかった。
同時に叫んでしまって、同時に吹き出した。
「オレは仕事。三時まで時間が空いたから時間つぶし」
時間つぶし。
そーですか・・・時間つぶし・・・。
「とかいって」
ふ、と彼は苦笑いを浮かべ、海に目を移した。
「昨日か今日か明日、東京出張行ってくれって言われて、迷わず今日にしたんだけどね」
「・・・なんで?」
その横顔にドキッとしながら、聞いてみる。
答えは分かっている。
でも、本人の口から聞きたかった。
「今日、この場所にきたかったからさ」
「うん・・・」
頬のあたりが熱くなってきたのが分かる。
同じことを思ってくれていたんだ・・・。
「そっちは?」
「・・・うん。同じ・・・かな」
実は私も、友人から訪問日は何日でもいいと言われて、迷わず今日にしたのだ。
もしかしたら帰りに少しでも立ち寄れるかもしれない、と思ったからだ。
「時間ある? 昼メシ食いにいこっか? ちょっと早いけど」
「うん・・・」
足元がふわふわしている。
こうして2人で歩く日がくるなんて・・・。
そういえば、10年前の今日も、ふわふわしていた。
でも、10年前は手を繋いでいた。
10年後の今日、人一人分の距離を明けて一緒に歩くことになるとは・・・想像もしなかった。