創作小説屋

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ある平凡な主婦の、少しの追憶(26)

2007年06月27日 10時06分52秒 | ある平凡な主婦の、少しの追憶(一部R18)
店の前に着いたのは3時15分前だった。
8年前と変わらず、木の扉に大きな葉が飾られている。
もしかしたら色々変わっているのかもしれないけれど、
何しろ8年前の記憶だから、イメージだけで判断してしまう。
「何も変わっていない」と。

大きな取っ手を引っ張ろうとして・・・
我に返った。

いや、夫のことや家族のことが頭をよぎったのではない。

お化粧をしていないことに気が付いたのだ!

今さら馬鹿みたいな話だけど、彼と会うのならば、
なるべく綺麗な姿でいたかった。

「か、帰ろう・・・」

背を向け、階段を降りはじめて・・・
階段を上ってくる人影に足を止めた。

「あ・・・」

彼、だった。
コメント (4)
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