自閉症である長男は、公園に連れて行っても、遊具で遊んだりしない。
周りをグルグルと回って、目を離すと公園の外に走っていってしまう。
長女は公園で遊びたがっているのに、長くは公園にいられなくて、本当にかわいそうだ。
休日に長女だけでも公園に連れて行ってあげてくれないか、と夫に頼むのだが、
「嫌」の一言で片付けられてしまう。
理由を聞くと「疲れるし、面白くないから」という。
仕事で疲れていることは分かっているので、
休日は昼過ぎまで寝かせてあげるようにしている。
それでも、ほんの一時間、娘を公園に連れて行ってくれ、と頼むのは酷なことなんだろうか。
そうはいっても、自分が買い物があるときは、娘と2人で出かけてくれるときもある。
長男のことは絶対に連れて行かない。
最近、長男は夫のことを恐れはじめている。
長男は、よくグルグル回ったり、ジャンプをしたりしている。
それが落ち着くようだ。
娘も一緒になってグルグル回って、2人でケラケラ笑いあっていることがある。
その笑い声を聞くと、胸の中につかえている、夫の態度とか息子の将来とか、そういうモヤモヤが少しの間だけ晴れてくれる。
私にとって至福のときだ。
それが他の人に迷惑をかけているなんて思いもしなかった。
階下の住民の方から、苦情の電話がきたのだ。
うちは結婚当初にマンションを購入した。
階下には、うちより少し年上のご夫婦と小学生の子供が住んでいる。
子供が産まれたときに挨拶にいったところ、
「日中はほとんど家にいないので、うるさくしても大丈夫ですよ」
といっていただいた。
その言葉に甘えて、子供達が家で飛んだりはねたりすることを、注意しないでいたのだ。
早めの就寝を心がけていたので、夜は静かにしていた。
毎年末、菓子折を持って挨拶に行き、どのような様子か聞いていたのだが、
前に挨拶に言ったときには、特に何も言われなかった。
しかし最近、子供達も体が大きくなったし、
何より長男の動きが激しくなってきたので、
階下に相当響いていたようだ。
電話口で階下の奥さんに懇々と言われた。
走り回ったりジャンプをしたりする音があまりにもウルサイ、と。
もう少しお子さんを外で遊ばせてあげたらいかがですか、と。
電話を切ってから、不覚にも涙がでてきてしまった。
“もう少しお子さんを外で遊ばせてあげたら・・・”
それができればどんなにいいだろう。
普通の子みたいに、普通にすべり台やブランコで遊んでくれたらどんなにいいだろう。
糸の切れた凧みたいにふら~っといなくなったりしないで、しっかりと私の手を握ってくれたらどんなに・・・。
そうは言っても、階下の方に迷惑をかけているのは事実なのだ。
電話を切ってから、ずっとピリピリしてた。
少しでも走ると「走らないで!」と思わず怒鳴る私。
怒鳴りたくなんかないのに・・・。
息子はジャンプをやめられない。
マットレスを引いて、その上でジャンプをするように言い聞かせるのだが、目を離すとマットレスから出ていってしまっている。
それを捕まえて、元に戻す。
逃げる息子。
延々と繰り返される・・・。
子供達がいつも通り9時前に寝付き、ようやくホッと肩の力を抜いた。
明日からどうしよう・・・。
これから毎日こんな風にピリピリして暮らすのかと思うと・・・。
長い長いため息をついたのと同時に、電話がかかってきた。
・・・彼からだった。
周りをグルグルと回って、目を離すと公園の外に走っていってしまう。
長女は公園で遊びたがっているのに、長くは公園にいられなくて、本当にかわいそうだ。
休日に長女だけでも公園に連れて行ってあげてくれないか、と夫に頼むのだが、
「嫌」の一言で片付けられてしまう。
理由を聞くと「疲れるし、面白くないから」という。
仕事で疲れていることは分かっているので、
休日は昼過ぎまで寝かせてあげるようにしている。
それでも、ほんの一時間、娘を公園に連れて行ってくれ、と頼むのは酷なことなんだろうか。
そうはいっても、自分が買い物があるときは、娘と2人で出かけてくれるときもある。
長男のことは絶対に連れて行かない。
最近、長男は夫のことを恐れはじめている。
長男は、よくグルグル回ったり、ジャンプをしたりしている。
それが落ち着くようだ。
娘も一緒になってグルグル回って、2人でケラケラ笑いあっていることがある。
その笑い声を聞くと、胸の中につかえている、夫の態度とか息子の将来とか、そういうモヤモヤが少しの間だけ晴れてくれる。
私にとって至福のときだ。
それが他の人に迷惑をかけているなんて思いもしなかった。
階下の住民の方から、苦情の電話がきたのだ。
うちは結婚当初にマンションを購入した。
階下には、うちより少し年上のご夫婦と小学生の子供が住んでいる。
子供が産まれたときに挨拶にいったところ、
「日中はほとんど家にいないので、うるさくしても大丈夫ですよ」
といっていただいた。
その言葉に甘えて、子供達が家で飛んだりはねたりすることを、注意しないでいたのだ。
早めの就寝を心がけていたので、夜は静かにしていた。
毎年末、菓子折を持って挨拶に行き、どのような様子か聞いていたのだが、
前に挨拶に言ったときには、特に何も言われなかった。
しかし最近、子供達も体が大きくなったし、
何より長男の動きが激しくなってきたので、
階下に相当響いていたようだ。
電話口で階下の奥さんに懇々と言われた。
走り回ったりジャンプをしたりする音があまりにもウルサイ、と。
もう少しお子さんを外で遊ばせてあげたらいかがですか、と。
電話を切ってから、不覚にも涙がでてきてしまった。
“もう少しお子さんを外で遊ばせてあげたら・・・”
それができればどんなにいいだろう。
普通の子みたいに、普通にすべり台やブランコで遊んでくれたらどんなにいいだろう。
糸の切れた凧みたいにふら~っといなくなったりしないで、しっかりと私の手を握ってくれたらどんなに・・・。
そうは言っても、階下の方に迷惑をかけているのは事実なのだ。
電話を切ってから、ずっとピリピリしてた。
少しでも走ると「走らないで!」と思わず怒鳴る私。
怒鳴りたくなんかないのに・・・。
息子はジャンプをやめられない。
マットレスを引いて、その上でジャンプをするように言い聞かせるのだが、目を離すとマットレスから出ていってしまっている。
それを捕まえて、元に戻す。
逃げる息子。
延々と繰り返される・・・。
子供達がいつも通り9時前に寝付き、ようやくホッと肩の力を抜いた。
明日からどうしよう・・・。
これから毎日こんな風にピリピリして暮らすのかと思うと・・・。
長い長いため息をついたのと同時に、電話がかかってきた。
・・・彼からだった。