創作小説屋

創作小説置き場。BL・R18あるのでご注意を。

ある平凡な主婦の、少しの追憶(27)

2007年06月29日 11時08分05秒 | ある平凡な主婦の、少しの追憶(一部R18)
「3次会参加希望?」

飄々と彼が言う。
手に新しいタバコを持っているところをみると、
タバコを買うために外にでただけらしい。
また店に戻ろうとしている。

階段の手すりをみるフリをして、慌てて彼に背を向ける。

「一杯やってく? すぐ閉店だけど一杯くらい飲めるよ」
「やめとく」
「なんで?」

顔をのぞき込まれそうになって、急いでそっぽを向く。

「どした?」
「どうもしない」

あやしい。私、かなりあやしい・・・。
でも素顔を見せるわけにはいかないっっ!

「じゃ、ちょっと待ってて。会計すませてくるから」

なぜかクスクスと笑いながら彼が扉を明けた。

「待っててよ。帰らないでよ」

念を押されて、背を向けたまま肯いてみせる。

ううう。なんでスッピンできちゃったんだろう。

でも・・・会えて嬉しい。
コメント
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