彼は細身なのに、あいかわらずよく食べた。
そして、食後にいつものようにタバコを吸った。
彼がタバコを吸っている口元を見るのが好きだった。
細長い指。
薄い唇。
少し口を細めてはき出される煙。
色気がある、というのだろうか。
口元をみているだけで動悸が激しくなってしまう。
彼はキスが上手だった。
キスにも人柄って出るんだろうか。
夫のキスは、いつだって自分勝手だ。
無理矢理こじ開けて自分勝手に進入してくる。
自分の欲望を満たすことしか考えていない。
彼は違った。
触れるだけのキス。
優しくついばむようなキス。
それだけでも電流が走った。
その上、深いキスといったら、腰が砕けて立っていられなくなるほど・・・。
「何?」
ボーっと口元に見とれていたら、彼に笑いながら聞かれた。
慌てて我に返る。
「いや、変わらないなあ・・・と思って」
「そっちだって変わってないじゃん」
「変わったよ!何しろ二回出産してるんだからね。下っ腹の出っ張りが・・・」
「え?元々出てたでしょ?」
「失礼な!!」
軽くグーでパンチをくれてやる。
こうやって軽口がたたけるなんて、ちょっと嬉しい。
「それに2人とも母乳だったから、吸い尽くされて胸も小さく・・・」
「え!あれ以上小さくなれるの?!」
「本気で殴るよ!!」
「うわっ、ゴ、ゴメンっ!」
ひとしきり彼はケタケタと笑って、そして。
ふいに真面目な顔に戻った。
「見てみたいな。変わったところ」
そして、食後にいつものようにタバコを吸った。
彼がタバコを吸っている口元を見るのが好きだった。
細長い指。
薄い唇。
少し口を細めてはき出される煙。
色気がある、というのだろうか。
口元をみているだけで動悸が激しくなってしまう。
彼はキスが上手だった。
キスにも人柄って出るんだろうか。
夫のキスは、いつだって自分勝手だ。
無理矢理こじ開けて自分勝手に進入してくる。
自分の欲望を満たすことしか考えていない。
彼は違った。
触れるだけのキス。
優しくついばむようなキス。
それだけでも電流が走った。
その上、深いキスといったら、腰が砕けて立っていられなくなるほど・・・。
「何?」
ボーっと口元に見とれていたら、彼に笑いながら聞かれた。
慌てて我に返る。
「いや、変わらないなあ・・・と思って」
「そっちだって変わってないじゃん」
「変わったよ!何しろ二回出産してるんだからね。下っ腹の出っ張りが・・・」
「え?元々出てたでしょ?」
「失礼な!!」
軽くグーでパンチをくれてやる。
こうやって軽口がたたけるなんて、ちょっと嬉しい。
「それに2人とも母乳だったから、吸い尽くされて胸も小さく・・・」
「え!あれ以上小さくなれるの?!」
「本気で殴るよ!!」
「うわっ、ゴ、ゴメンっ!」
ひとしきり彼はケタケタと笑って、そして。
ふいに真面目な顔に戻った。
「見てみたいな。変わったところ」