創作小説屋

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ある平凡な主婦の、少しの追憶(32)

2007年07月11日 21時42分25秒 | ある平凡な主婦の、少しの追憶(一部R18)
一時間半後・・・私はシーツにくるまれて、彼の腕の中にいた。
低い天井を見上げながら、どうしてここまで来たのか思い返してみる。


「まだ好きなんだけどな」
なんてセリフを聞かされ、言葉を失って、ただ彼を見上げた私。
そんな私に畳みかけるように彼が続けた。

オレもさ、幸せになって欲しいってずっと思ってたんだよ。
それなのに、今、あまり幸せそうじゃないから。
心配なんだよ。
オレにとって、お前は、いつまでも特別な存在だから。

「・・・バカ」

気がついたら、涙があふれ出ていた。

もう人のもののくせに、今さらそんなこと言うなんて。
反則だ。

止まらない涙。
でもなぜか心地よい。

それからどちらからともなく、手をつないで歩き出して・・・

それで、昔から変わらずにあった、小さなラブホテルに入ったのだった。
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