創作小説屋

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ある平凡な主婦の、少しの追憶(34)

2007年07月13日 15時11分37秒 | ある平凡な主婦の、少しの追憶(一部R18)
私の初めての相手は彼だった。
彼は初めてではなかったけれど、そんなに場数を踏んだわけではなかったらしい。

だから、つきあい始めのころは、お互いつたない愛情表現だった。
それでも、初めから、妙に相性はよかった。
そして、回数を重ねるにつれ、行為は濃いものになっていった。
真面目な顔をして、2人でビデオや本で研究したりもしていた。
性に対する考え方や価値観が、妙に一致していた2人だった。

8年前と変わらない・・・とも思ったが。
でも、少し優しさが増えたかな。
それは遠慮なんだろうか。

「黄金の左手中指」と名付けて笑った8年前。
(彼は左利きなのだ)
そこは相変わらず黄金のままで。
何度も頂点に突き上げられ、頭がおかしくなりそうだった。

そこでようやく、本番。
さりげない動作で、枕元にあったゴムを手に取った彼に、そっと首を振った。

「しないで大丈夫。もうすぐ生理」
「ホントに?・・・ラッキー」

ニッと笑って、彼が私の足を押し広げる。

実際、本当にもうすぐ生理日だった。
だから最近、余計に精神的に不安定だったというのもある。

でも、きっと、そうでなくても、
生身の彼を受け止めたくて、嘘をついたに違いない。

熱い、熱い、熱いものが中に入ってくる。
それだけで、気が遠くなった。

ふうっと大きく、彼が息をつく。

ゆっくりとした、うねりのある腰使い。
この後にくるだろう激しさに、期待と不安を覚えながら、彼の手首をギュッとつかんだ。
コメント
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