創作小説屋

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ある平凡な主婦の、少しの追憶(47/50)

2007年07月27日 08時24分29秒 | ある平凡な主婦の、少しの追憶(一部R18)
翌日は、実家でのんびりすることにした。
夕方になる少し前に夫が夕飯を食べにやってきた。
実家の隣の空き地で、私の父が子供達を遊ばせてくれていることを言うと、
父と交代をしに出て行った。
普段はまったく子供の外遊びには付き合わない夫だが、
さすがに舅だけにやらせるのは気が引けるらしい。
良い傾向だ、と内心ホクホクしてしまう。

その隙に、二階に行き、パソコンを立ち上げた。
案の定、昨日の披露パーティーの様子をアップしているブログがあった。

パーティーは大盛り上がりしたらしい。
写真も数枚アップされていた。
新郎は相当飲まされたようで、すべて顔が真っ赤で写っている。
新婦も頬を赤くしている。
披露宴の時よりも、リラックスした表情をしている。
幸せそうで・・・何よりです。

やっぱり、正視はできない。
本当に平気になるには、まだ時間がかかりそうだ。


突然、窓の外から騒がしい声が聞こえてきた。
夫の大きな声が響いている。

「祐介!こっちだ!こっちに投げるんだ!」

どうやら、長男相手にボール遊びを始めたらしい。
そんな夫の姿を見るのは初めてだ。

長男は意味が分からないらしく、
ボールを取ると、投げずに夫のところまで手で持っていっている。

「そうじゃなくて、投げるんだぞ。いいか、いくぞ」

念を押したが、やっぱりまた手で持ってくる長男。

「だーかーらー!」

まるでコントだ。
微笑ましくて笑えてくる。
長女もそれを見てケタケタ笑っている。

でも短気な夫が怒り出すのは時間の問題だろう。
そろそろ助け船を出しに行こうか、と思った時だった。

「祐介!危ない!止まれ!」

いきなり、長男が道路に向かって走り出したのだ。
夫が追いつくよりも早く、長男が道路に飛び出した。

そこへ、小さなトラックが・・・!!

「祐介!」

私も慌てて階段を駈け降りて、外に飛び出した。
コメント
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