私が道路についた時に、目に入ってきたのは・・・
長男を抱えた夫。
その横に立っている長女。
白い割烹着姿のおじさん。
・・・おじさん?
はて、と思ったら・・・
その小さなトラックはお豆腐屋さんだった。
実家に来てからは、毎回お豆腐をこのトラックから買っているので、
長男は、トラックが目に入った瞬間に、走り出してしまったのだろう。
「大丈夫?」
私が呆然としている夫に近づいて行くと、
長男は夫の腕から抜け出して、私の元にやってきた。
そして・・・
「トーフ」
と、トラックを指さしたのだ。
「・・・・・・・・・え?」
我が耳を疑った。
トーフ?
「祐介・・・今、何て・・・?」
「トーフ」
しっかりとトラックを指さした長男。
言葉らしい言葉を言ったのは生まれて初めてだった。
指さしをしたのも初めてだった。
「祐介・・・」
夫も私も驚きのあまり声も出なかった。
気がつかないうちに、両方の目から、涙が溢れでていた。
振り返ると、夫の目にも光るものがあった。
「えーーと、毎度どうもです。木綿?絹?どっちがいい?僕?」
困ったように豆腐屋のおじさんが長男に話しかけている。
「絹。絹だよね?ママ?」
長女が代わりに答えてくれた。
「何丁お必要ですか?」
泣いている私に話しかけていいものだろうか、
と躊躇しながらおじさんが聞いてきたが、
声になりそうもなかった。
すると夫が、財布を出しながら言い切った。
「10丁ください。10丁。今日は豆腐でお祝いです」
長男を抱えた夫。
その横に立っている長女。
白い割烹着姿のおじさん。
・・・おじさん?
はて、と思ったら・・・
その小さなトラックはお豆腐屋さんだった。
実家に来てからは、毎回お豆腐をこのトラックから買っているので、
長男は、トラックが目に入った瞬間に、走り出してしまったのだろう。
「大丈夫?」
私が呆然としている夫に近づいて行くと、
長男は夫の腕から抜け出して、私の元にやってきた。
そして・・・
「トーフ」
と、トラックを指さしたのだ。
「・・・・・・・・・え?」
我が耳を疑った。
トーフ?
「祐介・・・今、何て・・・?」
「トーフ」
しっかりとトラックを指さした長男。
言葉らしい言葉を言ったのは生まれて初めてだった。
指さしをしたのも初めてだった。
「祐介・・・」
夫も私も驚きのあまり声も出なかった。
気がつかないうちに、両方の目から、涙が溢れでていた。
振り返ると、夫の目にも光るものがあった。
「えーーと、毎度どうもです。木綿?絹?どっちがいい?僕?」
困ったように豆腐屋のおじさんが長男に話しかけている。
「絹。絹だよね?ママ?」
長女が代わりに答えてくれた。
「何丁お必要ですか?」
泣いている私に話しかけていいものだろうか、
と躊躇しながらおじさんが聞いてきたが、
声になりそうもなかった。
すると夫が、財布を出しながら言い切った。
「10丁ください。10丁。今日は豆腐でお祝いです」