夕方、雨が止んだ。
「プー助!行くよ!」と、プー助を連れて散歩に出る。
二年前、プー助を連れて散歩へ出かけた時。玄関を出るなり全速力で走り出したプー助。何百メートルも駆け続け、こちらはヘトヘトになる。それでもプー助はすごい勢いで僕を引っ張る。
仕方がないので、丘を登り丘を下り、丘を登り丘を下りを何回も繰り返す。その内プー助はヘトヘトになり、やっと引っ張るのを止めてくれる。
そんなイメージで、覚悟を決めて玄関を出る。ポーチを降りて歩道へ出る。
ん?
プー助動かず。
プー助、行くよ。散歩だよ。
プー助動かず。
リードをグイッと引っ張ってみる。
プー助、踏ん張る。
「おれは、絶対に動かねぇ」
そんな、バカな。。。
プー助は歳を取ってしまったのだろうか?
もう7歳になる。7歳になると、走らなくなってしまうのだろうか?どうなの?犬博士?
それでも、半ば無理矢理プー助を連れ回す。
公園に入ると、やっと少しだけ走ってくれた。
「プー助!行くぞ!あの頃みたいに!」
小高い丘に登ってみる。
プー助、途中で止まる。
プー助、ゼーゼー言っている。
歳のせいかもしれない。首のヘルニアの手術をしたせいかもしれない。雨上がりの路面が嫌いなのかもしれない。走らないプー助・・・ちょっと寂しい。引っ張らないプー助・・・ちょっと寂しい。
それでも、結構歩いた。
プー助が自分から草むらの中を進んでいくのでついていったら、プー助が勝手に溝みたいなところにはまって動けなくなったりした。ははは。重たいけど、持ち上げて助けてあげた。プー助、可愛い。
家に帰ると、ゼーゼーと言いながらうずくまり、眠ってしまった。
疲れたみたいだ。
ご飯の時、僕の右足の腿と膝のところにはタオルがかかっている。なぜならば、プー助が僕の隣に座って、僕の腿と膝にヨダレをベッタリとつけるからだ。
プー助は思い出してくれたのだろうか?
3年ぶりの再会なんだよ。プー助、知ってる?