カムイミンタラには部屋がある。ゲストハウス的なものでもある。
キャンプは一泊500円。ゲストハウスは一泊1500円。
せっかくここまで来たのだから、泊まらないわけにはいかない。1500円払っても泊まる。
ところが、こういう事情なので、キャンプをしに来た人は、キャンプ料金で部屋に泊めてくれるというのである。
ありがたいのである。
僕はそもそも、部屋に泊まれることをラッキーと思うわけではない。なぜなら、ここでキャンプをすることこそが、僕の目的であるからである。
このキャンプ場は良い。非常に好きだ。
自然の中のひとりぼっち感が、最高なのだ。
そのキャンプは出来ないが、それでも泊めてくれるのがありがたい。
泊まれることが分かったので、オーナーとひとしきり喋った後、バイクに積んだ荷物を解き始める。全部。何から何まで。全部広げる。
必要なモノを出し、しまい。必要なモノを出し、しまいを繰り返している間に、ひどい積み方になってしまっている。
ここらで、全部整理して、積み直したい。
ポツポツと感じる。
そういえば、釧路辺りは夕方にピンポイント雨予報が出ていた。
パラパラと降り始める。
そろそろしまうかなぁ。しまわないとかなぁ。
と、ザバーーーーと、バケツをひっくり返したような土砂降り。
全部濡れた。服も荷物も。全部びしょ濡れになった。蓋を開けていたバッグの中にも水が入った。
なんてこった。
ところで、ここが僕の部屋である。
黒板がある。ここも、かつての教室。
布団もある。
ははは。ちょっと嬉しい。