
到着が少々遅くなってしまった。陽が暮れかかっている。早くテントを立てなければ真っ暗闇になる。
中標津、開陽台。
駐車場よりもかなり高い場所にある。
バイク用の秘密の通路がある。つまり、バイクで上がって来られる。
マグナちゃんの時代。何度もその坂道を上がった。何度も上がったが、毎回死にそうになりながら上がった。
最後の最後のぬかるんだ段差が上がれずに、他のライダーに押してもらったりして上がった。
新しいバイクでは無理である。やらない。絶対に上がらない。転ぶ。絶対。いやだ。転びたくない。
バイクで上がらないとなると、階段である。この階段が心臓破りである。
ざっと・・・一億段くらいある。本当は100段くらい。
キャンプの荷物を運んで、この階段を登るのは・・・きつい。
かつては、それが嫌だった。重い荷物を何度も運ぶのが嫌だった。だから、死にそうになりながらバイクで駆け上がった。
人間とは、成長するものである、
今は、一億段の階段も全然嫌じゃない。
最低限必要なものだけを持って、階段を上がればいい。
ゼーゼーはする。
だが、ゼーゼーするだけだ。
2回も往復すれば、必要なものは揃う。朝の珈琲セットさえも揃う。
でも、忘れ物をした時が辛い。
「えーーー!ウェットティッシュ忘れた!」
「えーーー!ウェットティッシュのために一億段の階段を下って上がるなんて、ぜーったいに嫌だ!」
と、叫んでしまうのである、
晴れますように。