ザンカさんがやって来て僕に言う。
「しんぐー!今日もやるぞ!」
何をやる?バンドである。
昨日は楽しかったと、しきりに言う。
今までで一番良かったと、しきりに言う。
よしやるか?
あれ?ザンカさんはどこへ行った?
あれ?ザンカさんがどこかへいっちゃったなぁ?
ステージの方をチラッと見ると、ザンカさんがチラッと見える。
おっ、もうステージでスタンバイしてるのか?
慌てて、ステージの方へ僕は出て行く。
あれ?ステージの上じゃないな。
あれ?ザンカさん、何やってんだ?
ザンカさんのところへ行ってみると、ザンカさんがホットプレートで焼肉を焼いている。
何をやってんだ、この人は?
一人で何をやってんだ?
なんで一人で焼肉をジュージュー焼いてんだ?
ザンカさんは僕に気づくと言う。
「まぁ、食べなよ」
クリオネ名物、タダ焼肉である。
今回のクリオネ、マスターは全然遊んでくれない。
その代わり、ザンカさんがたくさん遊んでくれる。
結局、3時間ほど焼肉を食べながら、クリオネの歴史やら、何やら、面白い話をして・・・
「あぁ、バンドやれなかった」
と、ザンカさんは残念がる。
「まっ、こういうのもいいか」
と、ザンカさんは笑う。
うん、そう。こういうのもいい。