コデラーマンを見送って、僕は十勝平野をひた走る。十勝の連山を目指して。
一週間ほど前まで、十勝の山を越える一般道の主要ルートは閉鎖されていた。台風の被害の影響で。
帯広から富良野へと抜ける狩勝峠。これを越える。
コデラーマンがなかなか出発しないので、のんびりといつまでもコーヒーを飲んでいたので、出発が遅れ、狩勝峠へと入る前に日没。狩勝峠の頂上で夕焼け。狩勝峠を下る道は真っ暗。
でも、おかげで、いい空が見られた。
山部、太陽の里。
僕の大好きな廃バスがあった場所の目の前のキャンプ場。
少しの間、ここにテントを張って過ごそうと思う。
いい風が吹くかどうかはわからない。
いい風が吹いて欲しいとは思うが、そんなことはどうでもいいような気もする。
どんな風が吹こうが、僕はここにいて、その風の中で、何かを感じたり、何かを思ったり、足掻きたりもがいたりして、笑ったりおかしがったりして、過ごす。
ただそれだけのことだから。
グッドイブニング山部。
僕の旅は、空想みたいな旅だ。
この旅が、全部空想だったら面白い。
好きなことをしなければいけないよ。
やりたいこたをやらなければいけないよ。
楽しいことの中に身を置いて過ごさなければいけないよ。
明日が「楽しみ」になるように生きなければいけないよ。
空想みたいに生きられたら・・・
それがきっと、最高の人生だ。