ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

憧れの場所。

2016-09-10 19:35:50 | Weblog


空がうっすらと暗くなってきて
空が段々と暗くなってきて
空が暗くなってきて
空が暗くなって
真っ暗になる

夜が来た。

小高い山の上、僕は一人だ。

寂しくないか?と問われれば、「別に寂しくない」と答える。
ホントに寂しくないか?と問われれば、「そりゃあ、ちょっとは寂しい」と答える。

そりゃあ寂しいだろ!こんな山の上の牛と鹿の鳴き声しか聞こえないところに一人でいるんだから!真っ暗闇なんだよ!夜が来たんだよ、

寂しいっちゃ寂しくもあるのだが、そういうのはあまり気にしないのだと想う。だって、慣れっこだから。いつも、こんなだから。

そして、僕は、それを、楽しいと思いながら生きているから。

今日は野宿だ。宿泊費0円。
晩御飯は昼のパンの残り。晩御飯代0円。

前回ここを通った時に、「ここでキャンプがしたい!」と思った。
だから、今ここにいる。
見渡す限り、360度、全てが牧草地。景色が素晴らしい。

かつてはレストハウスがあり、馬に乗れる施設があり、賑わっていたのかもしれない。
今では、人っ子ひとり立ち寄らない、そんな場所。

この近辺、泊まれるところはたくさんある。
候補はいくつかあった。少し迷った。だって、野宿だから。野宿は怒られる危険が伴うから。

そういう時に想う。

やりたいことをやらなきゃいけない。
やれることをやらなきゃいけない。
やらるかやれないかわからないなら、やれるかどうか試さなければいけない。

そうしなければ、やりたいことなんて何一つ出来ずに、人生なんてあっという間に終わってしまう。

そんなわけで、憧れの場所で、キャンプをしています。

もしかしたら、最後の最後で、いい風が吹いたのかもしれない。

重油温泉。油ギトギト。重油温泉。

2016-09-10 16:59:37 | Weblog


豊富温泉は重油温泉。油ギトギト。これ、有名。
ガソリン温泉とか、灯油温泉とか、色々言われる。

一度入ると、一週間、体から油の匂いが抜けない。

服に付いたら服からも油の匂い。
タオルで拭けば、タオルはずっと油の匂い。
相当な重油度なのである。

この温泉、好き。

なぜって・・・変わってるから。普通と違う。違いすぎる。こんなもの、ここでしか体験出来ない。

肌にとてもいいそうです。

全国から、湯治に来る人が後を絶たないそうです。

さて、もう一回油に浸かってから、今日の宿へ向かうかな。

大規模牧草地をゆく。

2016-09-10 15:30:14 | Weblog


つい最近、阿蘇を走った。「阿蘇は、君の好きそうな景色だよ」と誰もが僕に言う。
その阿蘇を走った。

死ぬほど気持ち良かった。巨大なジオラマの中を走っているような気分になった。

そして、僕はこう思っていた。

「ここ、北海道みたいだ!」

豊富町、大規模牧草地。阿蘇とは少し趣が違うが、広大すぎる牧草地が延々と続く。車など一台も来ない。

ただ気持ち良く走るだけ。ただ、気持ち良く走るだけ。


夢工房。

2016-09-10 12:30:21 | Weblog


お昼ご飯はパン屋さん。
豊富町の夢工房。
今日はパンの種類が少ない。土曜日なのにな・・・。お昼時なのにな・・・。
いい風は・・・。

パンを三つ。食べきれないけれど三つ。
コーヒーを一つ。これで500円。

喫茶スペースで頂く。

パンを3個、全部半分ずつ食べた。全部半分ずつ残した。ははは。そんなものですよ。ははは。

ここのパンは美味しい。いつ来ても美味しい。

ちょっとだけいい風が・・・そよそよ。

ペケレパケレポコロ。

2016-09-10 12:00:28 | Weblog


サロベツ原野。川。
ペケレパケレポコロ川。

本当の名前は福永川。北海道の川なのに、福永川は、ちょっとないと想う。あんまりだと想う。

だから、僕が名前をつけてあげた。
ペケレパケレポコロ川。

アイヌ語で、どう意味になるんだろうなぁ。
素敵な名前だ。


オロロンえんまくん。

2016-09-10 11:30:21 | Weblog


このタイトル、前にも使った。気がする。が、気にしない。

日本海川を走るオロロンライン。20機以上の風車が一直線に並んでいる。その横をブボボボッと通り抜ける。なんとも気持ちのいい道だ。

ここから先は、電線もガードレールもなくなり、原野と海の間を北へと突き抜けるただの一本道になる。

だがしかし、今日はそちらへは行かず、陸側へ入る。

今日は、豊富で遊ぶ。

いい風はどこだ?

2016-09-10 10:01:14 | Weblog


羽幌。北のニシン屋さん。

羽幌はエビで有名。甘エビとかボタンエビとか。
食堂が併設されていて、あふれるほどの甘エビが乗っている丼とかがある。でも、値段はそこそこする。

北のニシン屋さんは海産物屋である。海産物屋だから、魚を売っている。魚とかエビとか貝とか、色々売っている。時々、タダみたいな値段で売っている。

その、タダみたいなエビだか貝を狙って、こんなところまでやって来た。午前10時前。朝ご飯にちょうど良い。

小雨が降ったり止んだり。カッパを脱いで、店内へ入る。

ん?
なんか、活気がないなぁ。朝だからかなぁ。土曜日なのになぁ。
心なしかモノが少ないような気がする。

鮮魚売り場へ。

!?
エビがない。甘エビもボタンエビも、ない。
貝はある。ホッキ貝一個380円。日高つぶ貝一個980円。赤貝、値段を見てない。
食べられそうなものは以上でおしまい。

もう一つあった。筋子、600円。

もう筋子は食べたくない。しょっぱいし。

肩を落とし、うなだれて店を出るのである。

朝ご飯、抜き、だな。

うーん・・・いい風はどこへ行った?

グッドモーニング留萌。

2016-09-10 08:13:45 | Weblog


時差ボケで眠い。時差というのは、旅人と農民の時差のこと。
朝7時に目覚めると、もう誰もいなかった。布団も綺麗に片付けられている。完全な最下位である。
もうあきらめて、もう少し寝た。へへへ。

美味しい魚が食べたいなぁ。へへへ。

ということは、やっぱり日本海だなぁ。へへへ。

夜に降り始めた雨は、止んだ。

空模様は曇り。

これから一週間は、晴れそうだ。と誰かが言っていた。当たるといい。

グッドモーニング留萌、モイルー。
今日はいい風が吹きますように。

おじさま、またお話を聞かせてね。5

2016-09-10 00:53:58 | Weblog


店先にバイクを停めると、高野さんの奥様も出迎えてくれた。

高野さんの奥様、彼女がまた凄い人なのだ。彼女もまた、アイヌの伝統工芸の伝承者である。

アットゥシ。アイヌの伝統的な織物。織り物に使うのは、綿や絹といったものではなく、オヒョウという木の皮の繊維。

アイヌは太古の昔から服を持っていた。その、アットゥシ。

銀座の個展で、奥様のアットゥシを見てから、ずっと会いたかった。

やっと会えた。


高野さんは二風谷へ来て、アイヌの伝統工芸を学び始めた。
二風谷に溶け込んでいく高野さんはを見て、師匠や周りの人は嫁を世話すると言いだす。嫁を取らせれば、ずっとここに居着くという算段。
でも、高野さんはその話をきっぱりと断った。

「僕には大切な人がいます。その人をここへ連れて来ます!」

高野さんは東京へと帰った。

アイヌの人たちは、さぞガッカリしたであろう。
あの青年は、もう帰って来ないかもしれない。ちょっと強引すぎたんじゃないか?

高野さんは二風谷へ帰ってきた。
高野さんの大切な人を連れて。
そして、二人は、二風谷で籍を入れた。

アイヌの人たちは、さぞ大喜びだっただろう。
青年が帰ってきた!嫁を連れて来たぞ!と。

高野さんは21歳。奥様は19歳だったという。

19歳の奥様は、誰も知らない、何もわからない、アイヌって?アイヌって何?の状態で二風谷に連れて来られ、アイヌの民芸店で民芸品の売り子をして、しばらく過ごした。

今では、アットゥシだけでなく、代々木のイベントでアイヌの民族舞踊を披露するアイヌ文化の伝承者である。勉強を積み、アイヌ語も理解出来るそうだ。

僕にとって、尊敬して止まない二人である。

今では、高野さん夫妻が、若いアイヌの人たちにアイヌの文化を伝えている。

最高にして、最強の夫婦である。


民族の誇りについて、よく考える。

僕はどういう民族なのだろう?
ヤマト民族、アイヌ民族、琉球民族、朝鮮民族。
民族は違えど、この国に住む「日本人」。
日本人の中に確かにある「民族」。「民族意識」。

民族意識は、誇るものであり、差別したり優劣をつけるものではない。と僕は想う。
他の民族を差別する民族では、決してありたくないと、僕は想う。

おわり。

追伸。
高野さんへ。
間違いがあったら、ごめんなさい。へへへ。

みなさんへ。
高野さんと奥様の話は、70パーセントくらい勝手に脚色してあります。ははは。

おわり。

高野のおじさま。4

2016-09-10 00:42:41 | Weblog
北海道へ行くと必ず、二風谷の高野さんに会いに行った。
高野さんは伝統工芸の継承者なので、道内だけではなく、全国を行脚する。とても忙しい人だ。
池袋に木彫りの実演に来た時、銀座で個展を開いた時に、会いに行ったりもした。

事故に遭って、高野さんはとても心配してくれた。

だから、今回の旅、高野さんに会いたかった。

そしてやはり、高野さんは忙しい。

ピンポイントで会いに行かねば会えなかったりする。

そして、ついに、高野さんに会えた。

二風谷の、高野民芸店。
僕はこの店が好き。小さくてごちゃごちゃしていて、歴史と思い出と情熱が、たくさん感じられる。

国道を右へ曲がるとすぐに高野民芸店がある。

国道を右折するために、少し対向車待ちをした。

「・・・高野民芸店の明かり・・・点いてる!」

バイクのエンジンの音が聞こえたみたいだり高野さんが店先へ出てきてくれ、こちらへ向かって手を振った。

「あっ、高野さんだ!」

僕は、少し、泣きそうになったんだよ。嬉しくて。


二風谷のウンチのおじさま。3

2016-09-10 00:11:37 | Weblog
先日、東北でツキノワグマが人を襲い、困った人間はクマを撃ち殺した。
そんなこんなの僕が想うことを唄にした。
「パンダ隊長」である。

アイヌにとって、クマは神の化身である。
イオマンテという儀式がある。
捕らえた小熊を大事に育て、神として天に帰す。
アイヌの文化と風習。

パンダ隊長という唄を作りながら、僕はイオマンテの話を思い出していた。

イオマンテの儀式は、今ではもうほとんど行われていないそうなのだが、二風谷で行われた最後のイオマンテは、高野さんが行った。

高野さんが行ったとは、どういうことか?

小熊を高野さん夫妻が飼って育てた。
美味しい食事を与えて、大切に可愛がって育てた。
何年後かに、その小熊はイオマンテの儀礼に使われた。
そして、カムイの魂が神々の世界に帰った後、その肉をみんなで食べる。

可愛がって育てた高野さん夫妻の気持ち。

でも、それが、人間と動物の距離と関係。長い長い歴史の中で培われ、受け継がれて来た価値観なのだと想う。

畏怖と尊崇。

イオマンテの儀式を残酷だと批判する人たちがいると聞くが、僕は、熊撃ちや鹿撃ちや猪撃ちのおっさんたちの方がよっぽど残酷だと想う。

まぁ、賛否両論あるのはいいとして。

アイヌではない高野さん夫妻が、アイヌの伝統儀礼の中心になるって・・・なんか、想像できないくらい凄いなぁと、高野さんにイオマンテの時の写真を見せてもらいながら、僕は思うのである。

「小熊、可愛い!」

「高野さん、若い!」