ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

グッドモーニングトトのチセと僕のテント。そして朝陽。

2018-10-18 08:00:53 | Weblog


昨日、僕はカカに言った。
「さっき、ひと泣きして来ました」

そりゃあ泣くだろう。

朝からブログを書きながら大泣きしたから、もう疲れた。ははは。

カカは言った。

「今年の夏は大忙しだった。でも・・・トトを知らない人がたくさんで・・・葛藤が・・・」

これからはカカの雪月花廊である。カカと子供達の雪月花廊である。それでいいじゃないかと思ったりもするが・・・わかる。

カカは言う。

「だから、トトを慕って来てくれる人がここへ来てくれると、すごく嬉しい」

僕は思う。カカは本当にトトのことが大好きで。好きというよりファンなのである。きっと、それは僕のトトへの憧れや想いと同じもので、それはその最上クラスのもので・・・とか。

グッドモーニングトトのチセと僕のテント。

朝陽が世界を照らしている。
頭上に雲はないのに少し雨が降った。不思議な天気だ。

僕の旅のピースが、少しずつ埋まり始めた。


グッドイブニング喜茂別。お風呂。そしてコーヒー牛乳。

2018-10-18 07:46:24 | Weblog


トトが作った24時間循環風呂というのがある。今は24時間ではないらしい。
木酢液が入れてあり、香りが素晴らしい。すごく温まる。というか、汗が出る。

お風呂あがりに、カカがコーヒー牛乳を出してくれた。美味しい。コーヒー牛乳美味しい。

大きな薪ストーブの前で、カカと、トトとの思い出を、目一杯話した。

僕が雪月花廊に来た翌年に、トトは倒れてしまったという。長い入院の後、トトは新しい記憶を作ることができなくなってしまった。
トトはトトのままだったのだけれど、トトは新しいトトになることはなく、ずっも昔のトトだった。

それでもトトは薪ストーブの前の揺り椅子に座って、煙草を吸いながら穏やかな存在感を放っていたらしいのだが、再び倒れ寝たきりになって帰って来たという。

医者に「車椅子も無理」と言われたトトだったが、雪月花廊へと帰ってきて、リハビリを行うと、車椅子に座れるようになり、窓際の薪ストーブの前に座って過ごしていたという。

そして、最期は、雪月花廊で。


カカが色々なことを話してくれた。

トトのすごかったところ。
トトの凄さは今もずっと続いているということ。
トトがずっと、この部屋にいるということ。


6年前に来た時、カカの存在は、柔らかくて優しくて穏やかで・・・。トトの後ろにちょこんとついて。

グッドイブニング喜茂別。お風呂。そしてコーヒー牛乳。

母は強しではない。・・・カカは強し。

久しぶりにカカを一目見て思った。
「この人、強くなってるじゃん」

カカは強し。素敵です。

約束の始まり。

2018-10-18 07:35:11 | Weblog


僕がブルジョワジーのしんぐくんになったのは、トト亡きあとの雪月花廊の経営に少しでも貢献出来たら・・・という考えからではない。僕はそんな奢った人間ではない。ははは。

昔、トトが僕に言った。極貧キャンパーの僕に言った。

「いつか、俺の作った飯を食ってくれな。ルスツ豚丼、美味いぞ」

僕に色々と食べさせてくれながらトトが言ってくれた言葉を僕は強く覚えている。優しい言葉だった。忘れたことがない。

そう、だから、僕は、トトとの約束を果たしに来た。
トトはもういないけど、トトとの約束を果たしに来た。

「トト、カカが作ってくれたキムチ鍋、美味しいよ」

トト、雪月花廊は素敵だよ。

こんなに暖かくて温かい場所は、世界中を探しても、きっと、どこにもない。

ブルジョワジーのジーは爺さんのジーではない。

2018-10-18 07:14:23 | Weblog


今回の僕は違う。すごいのだ。

カカに言った。僕は言った。
「晩ご飯、つけてください」

晩ご飯をつけてくださいとはどういう意味か?

それは、晩ご飯をつけてくださいという意味だ。わかるかな?

前回は、1円も払えなかった僕が、今回は、すごい、という意味だよ。

さらに、僕は言う。
「明日、ルスツ豚丼を食べます」

なんということだ。明日のご飯まで。注文している僕なのである。雪月花廊名物ルスツ豚丼。
なんということだ。凄すぎる。
カカを待っている間、郵便局へ行って、お金をおろして来た。ははは。

つまり、あれだよ?わかるかな?

今日は一泊二食付きだよ。わかるかな?ブルジョワだよ。ブルジョワしんぐくん!降臨!こーりん!
長いこと旅人をやっているつもりだが、こんなことは今までにない。一度たりともない・・・憧れの一泊二食付き。ブルジョワジーの象徴。一泊二食付き。

キャンプ500円。
晩ご飯1000円。
ルスツ豚丼800円。
お風呂。キャンプの人は200円。

チーン。一泊二食付き、トトの手作りお風呂付き。しめて、2500円!

雪月花廊、激安です。ちなみに、ライダーハウスは一泊800円でお風呂付き。
ちなみに、ゲストハウスは個室が3000円、シェアハウスが2000円。こちらも激安です。

晩ご飯は7時頃。

団欒部屋へ行くと、台所でカカと娘のフー子ちゃんが準備をしているのが見える。

僕の分、あとからやって来たサイドカーくんの分、カカと三人の子供たちの分、6セットのお箸と小皿が一つのテーブルに載っている。

すごい。みんなで食卓を囲むのだ。

カカが言う。

「今日はキムチ鍋。締めにラーメンがあるからね」

素敵た夜です。

トトがいた頃には参加出来なかった、素敵な夜が、ここにあります。

涙がちょちょぎれるのです。ははは。

思い出を少しだけ。

2018-10-18 07:05:01 | Weblog


雪月花廊にトトはいない。
雪月花廊にトトはいる。

6年前にちょこっと立ち寄った旅人のことなど、トトもカカも覚えてはいない。

ただ、僕が覚えているというだけのことだ。

僕はカカに話す。僕が雪月花廊で過ごして数日間のことを話す。

トトがいつも「腹減ってないか?」と聞いてくれたこととか、僕に何かを食べさせてくれたこと。シチューとか肉豆腐とか。
カカが「寒いからどうぞ」とロイヤルミルクティーとかアップルケーキとかを食べさせてくれたこととか。
僕は旅の最後でお金がなくて、お金を払って食べたものなど何一つなかったこととか。

カカは言った。
「そんなに優しかったの?」

ははは。そんなに優しかった。すごく暖かかった。

トトもカカも、すごく優しくて温かくて、雪月花廊がとても暖かかった。

トトとカカ。

2018-10-18 06:46:55 | Weblog


雪月花廊は、喜茂別町の旧双葉小学校の校舎を利用したライダーハウスである。

雪月花廊は、トトが作った。

僕が初めて雪月花廊へ来た6年前。初めて会った雪月花廊のオーナーは、自分たちのことはトトとカカと呼んでくれと言った。

雪月花廊には色々なものがある。それは、2012年の10月の終わりの頃のブログに書いてあるので、参照して欲しい。

僕はきっと、トトに憧れている。僕はずっと、トトに憧れている。

トトとカカの雪月花廊へ、僕は6年ぶりに来た。


トトが亡くなってしまった。


僕はそれを、今年の7月頃に知った。雪月花廊へ行ったことのないコデラーマンが教えてくれた。
「雪月花廊のご主人、亡くなったらしいですよ」

トトが亡くなってしまった。いなくなってしまった。去年のことらしい。

雪月花廊は存続している。

カカが一人でやっているという。


カカに会いに行かなきゃと、僕は思った。

トトに逢いに行かなきゃと、僕は思った。

約束、果たせてないじゃんと、僕は泣いた。

お帰り。

2018-10-18 06:40:42 | Weblog


六時前だっただろうか。カカと上の子供二人が一緒に雪月花廊へと帰ってきた。

二時過ぎから待っていたわけだから、相当待った。


カカは言った。

「今日は誰も来ないと思ってた。ははは。」

カカ、元気そうである。

カカさん、元気である。

良かった。

カカに会えた。

良かった。ははは。

珈琲はいかが?

2018-10-18 06:31:57 | Weblog


野球に飽きた子供達は、パソコンをやろう!とか、体育館でバスケをやろう!とか、かくれんぼをしよう!とか言いながら、雪月花廊の中へ入っていく。

子供達は、一緒に中で遊ぼう!と誘ってくれたが、家主不在の家の中で大人が遊んでるというのも・・・まぁ、ナシではないが、ありっちゃありだが・・・カカが帰って来るまで、外で待ってるよ。と僕は言った。

でも、結局、カカが帰って来る前に中へ入った。

なぜか?

一番下の子がこう言ったからだ。

「珈琲、淹れてあげるよ。中で飲めば?」

小2が?珈琲を?淹れられんのか?

「カカに教えてもらったから出来る」と言って、コーヒーメーカーにフィルターと豆と水を入れている。

なかなか凄まじい小2じゃないか。

そして、しばらくして、僕は言う。

「ゆうた、珈琲、まだ?」

ゆうたはポコポコというコーヒーメーカーをチラッと見て言う。

「もう少しで出来るよ」

ははは。面白い。

出来上がった珈琲を、カップに入れて、ソーサーまでつかてテーブルへと持ってきてくれる。

飲む。・・・美味しいじゃん。ははは。

子供達が言う。

「遊ぼう!」

うん、珈琲を飲んでからね。


野球でもするか。

2018-10-18 06:17:34 | Weblog


カカは帰ってこない。僕は待っている。

スクールバスが着いて、子供が三人降りて来た。

その中の一人が、雪月花廊の玄関前で待つ僕の方へ。

こんにちはと挨拶をし、僕の目の前に来た時に尋ねてみる。

「一番下の子?」

うん。と子供は頷く。

「何年生?」

二年生。


なるほど、なるほど。僕の記憶の中、一番下の子は、カカに抱っこされた赤ちゃんだった。6年前、この子は2歳。

遊ぶ?と聞くと、遊ぶという。

何して遊ぶ?と聞くと、野球という。

じゃあ野球をしようと言うと、グローブを持って来た。

二人でグローブを持って、雪月花廊の前にある大きな校庭へ。

キャッチボールをしていると、近所の姉弟がやってきて野球に混ざった。総勢四人の野球大会。

カカを待つ時間。僕は子供達に遊んでもらって過ごした。