先日実行した柔らかもの10着選定。
挫折したものの、久しぶりに柔らかもの出して眺めてみると、その中から「過去のきもの物語」、とでもいうものが浮かびあがってきました。
私の危機のときに、母が誂えてくれた江戸小紋、
「いわく付き江戸小紋で遊ぶ」→ブログ引っ越ししたので抜け写真多いです。
誂えてくれたときには、ありがたみはわからず「わっ、おばさんみたい」(当時も十分おばさんだったのにね)と憎まれ口をたたいた黒の江戸小紋。
いつ着るかしらと思いつつ、絞りに魅かれて購入した訪問着。
ここにはないけど、幼い娘が「怖~~い」といった訪問着。
そう、昔風のきものは子どもには少しコワいかも。
私も母のきもの姿はきれいと感じるより、いつもとは違って近づきがたかった。
きもので参観日に着た母には、知らん顔していたかった。
着用したときの思い出に浸りつつ、出して畳むのも愉しい~~。
これがおそらくきものの良さではないでしょうか。
親戚の結婚式やそのときどきの行事には家族の歴史と物語がある。
それがきものの中にじっと潜んでいて、広げるとぱっとその物語が魔法のランプのアラジンのように出てくる。
「ご主人様、御用は~~」はとは言いませんが、「ご主人様、どんなお話をいたしましょうか」くらいは囁いてくれます。
アンティークきものだと、どんな人がどんなときに着ていたのかしら。
その人は幸せだったかしら、なんて思いをはせるのも愉しい。
アンティークバッグを購入したとき、中に「あんなこと言ってごめんね」なんて手紙が入っていたことありました。仲直りしたのかん、でもバッグ売っているってことは~~?なんていろいろ想像したりして。
きものはそれ自体、日本の悠久の歴史を物語る力を持っています。
たとえば歌舞伎の演目に因んだ帯や帯留など、組み合わせ次第で物語を作ってくれるものです。
そんな大きな歴史に、自分の小さな思い出という歴史がリンクする歓びを感じさせてくれます。
海老蔵の歌舞伎を観たとき、「えび象」というわけで象の帯留をして顰蹙を買ったなあ(汗)
着るのも愉しいけど、出して眺めて、いろんなことを思いだすのも愉しい。
まさに「きものサプリ効果」は、いろいろありますね。
なかなか陽の目を見ることのない紅型やら友禅やら、風通しを兼ねて出てきてもらって、また昔ばなしでもしてみましょうか。
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