ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

三代続く分限なし、貧乏なし~「砂屋お峰」にみる衣装比べ

2018-01-15 11:52:04 | きものの本&本

 

先の「商いは偽りかきもの~きもの業界の内側」

有吉佐和子「真砂屋お峰」(中央公論社)、

すっ飛ばしたものの、

あまりに面白いので、ご紹介。


 

この本は、江戸時代の「奢侈禁止令」で、

あまりのきもの道楽のため、

江戸追放になった町人の妻

もとになっていますが、

ただの贅沢好きの女性では面白みがないと

思ったのか、

著者は、前半は、成功した商人の

商いのやり方を綿々とつづっています。

私は、「贅沢をし尽くした女のその後」を

知りたくて(笑)、読み始めたのですが、

これだけにとどまらず。

 

成功する商人とは~~、とにかく「倹約第一

本当の金持ちは贅沢しないという例。

目立たず、地道に~~。


その有様が具体的、かつ実用的に描かれている上、

そんじょそこらの江戸学以上に

江戸のあれこれに詳しくて、

さすがは有吉さまだわあ。

 

江戸の火事が経済だけではなく、人の性格

生き方を大きく左右させる事情とか、

歌舞伎役者のそれこそ内部事情とか~。

 

で、節約に節約を重ねて莫大な富を得た真砂屋、

ある事情から、

一人娘のお峰はその莫大を使い果たそうと、

きもの買いに走るのですね。


「きものどこで着る、誰に見せる。衣装比べ」

江戸時代の衣装比べについてはこちらの拙ブログで。

 

で、ここでは、お峰が着用したきものをご紹介。


地味を粋とする江戸だけに、基本は結城紬。

それを木綿と思わせる手法が

よく知られているけど、

唐織りの帯を芯にして!!木綿でくるんだり。

重そう!


結城のなかでも「貫紬」とは、経に木綿糸、

緯糸が絹というもの。

琴紬。琴の糸をほぐして織りなおしたものだとか。

琴糸って絹でできていたのね。


それに象牙の櫛を台にして漆に金粉を混ぜると、

安物」にそっくりになる!とか。

結城を薩摩に持っていって、

結城の薩摩絣を作らせるとか。

いやあ、すごいね。

裏勝りってヤツの極みですね。


で、タイトルの「三代続く分限、貧乏なし

は悪徳質屋がお峰にいう言葉で、

これが莫大な財産をきもの道楽に使う

動機にもなっている。


確かに、貧乏な人が頑張って金持ちになると、

その息子の気が緩み、道楽をして身上つぶす。

その繰り返しなのは、今の二世を見ても、

私の周りでも起きている現象よ。


今、分限の方々ご用心、

そして貧しい方々~~。


とまあ、あれやこれやと

長くなってしまいました。

脳活のためにも書いているので、

文字多くていやだわという方は

すっ飛ばしてね。


それにしても有吉さんの本、

情報量多いわあ。

 

次は「三婆」かしらん。

 

というわけで、

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