カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

先人が残し伝えてくれたもの

2019-11-27 11:53:42 | 熊本地震
 益城町の交流情報センター(ミナテラス)の展示スペースで「企画展、のこされたもの、のこしたいもの、えたいこと」が催されている。

 11月26日から12月22日までである。

 先の熊本地震により町内に所在する文化財も甚大な被害を受けたが、その修復・復旧も逐次進捗し往時の姿を取り戻しつつある。

 復旧した文化財の現状もパネル写真等で紹介されている。

 そのなかで特に目立つのはケース等に入れられた古代の土器などの展示物である。

 

 遺跡発掘の出土品が多く展示されている。

 その発掘の経緯は、地震による復旧・復興に伴う開発事業を行う場所が遺跡との関連があり先行して発掘調査が行われることになったもの。

 

 パンフレットには、発掘調査を実施中の写真が掲載されている。

 見晴らしのいい高台で、南側には益城の町や田園地帯が一望できる。

 先人は水害などの心配がなく、比較的恵まれた地形を選定して生活していたことが伺える。

 その調査も一応終わって、記録を残し開発に着手したということだろう。

 

 災害公営住宅として、計画された期限内には完成し仮設住宅などで暮らす人々に供用されることになる。

 ただし、少なくともこうした遺跡は再び日の目を見ることはなく、記録として残されるだけである。

 

 すぐその北側には比較的最近開通した町道が通っている。

 この町道も、遺跡発掘調査のためかなりの期間工事を中止したことがある。

 この辺り一帯は、かなりの広さで遺跡や埋没した土器などが分布しているのではないかと思う。

 遺跡の重要度の判定はどのようになされるのかは知らないが、全国各地で開発の前に次々と姿を消していることだろう。

 今度の企画展のキャッチフレーズが「のこされたもの、のこしたいもの、伝えたいこと」というのが、何とも切ない心持にさせてしまう。

 甕棺や人骨などは出土しないということで、墓ではなく生活の場所そのものだったということだろうか。

 考えてみれば、先人が選んで居を構えた場所は一番安全な場所であった筈である。

 先人が現地・現物をもって「のこされたもの」「のこしたいもの」「伝えたいこと」だったのかも知れない。

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コメント
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